こんにちは。ちはるです。
私は長年介護施設や訪問介護など仕事を通して、様々な家族を見てきました。
在宅で姑を介護する嫁。高齢の母親の介護をする独身の息子。認知症の旦那を一人で介護する妻。
家庭には、それぞれ事情があります。
しかし、在宅で介護をしている人たちを見ると、皆悩みを抱えており、日々の生活に疲れ切っています。
「介護する側と介護される側の本当の幸せとは?」と考えた時にお互いの心身が健康で、より充実した生活ができる必要があります。
もちろん自宅で最期を迎えることが本人にとって理想です。
でも介護する側と介護される側お互いの幸せを掴むために、介護施設に入所することも選択肢の一つです。
施設を利用したいと思ってもすぐには入所できない現状があります。
そのために事前の準備(情報収集)が大切です。
まずは住んでいる近くの施設の詳しい情報を調べてみましょう!
\ ま ず は 気 軽 に 資 料 請 求 し て み ま し ょ う ! /
私の祖父母は85歳まで自宅で過ごしました。
病気になったりケガをしたりするたびに近くに住む両親が手伝いに行っていましたが、
認知症の症状が出てからは泊まり込みの日も多くなり日に日に疲れが増していっているように見えました。
2年ほど在宅介護を行っていくうちに夜間のトイレ介助の回数が増えるなど、両親の負担が重くなってきたころに祖父母そろって介護施設に入所しました。
私は在宅介護の負担が家族に与えるストレスの大きさを、そばで見ていました。
当時若すぎて何もできなかったことを悔やんでいるので、今現在在宅介護のストレスに悩んでいる方のお役に立てるよう、ストレスの原因から根本的な解決方法までまとめてみました。
こちらの記事を読めば、ストレスを軽くすることができますよ。
目次
在宅介護のストレスの原因とは
在宅介護をしていて少しもストレスを感じていないという方は、ほとんどいないです。
お世話になった親の介護をストレスと感じること自体に、後ろめたさや罪悪感を感じてしまっている方もいるかと思います。
ストレスの原因を知るだけでも気持ちが軽くなるかもしれません。
どれくらいの人が在宅介護にストレスを感じている?
厚生労働省の調べにおいても、男性は54.2%、女性は63.7%の方が家族の病気や介護にストレスを感じているという結果が出ています。
更に要介護者の方が認知症を患っている場合には、家族にかかる負担やストレスは他の介護よりも大きくなる傾向にあります。
毎日続く介護にストレスを感じることは当然です。
まずは自分が介護を負担に思っていることを肯定してくださいね。
参考サイト:厚生労働省同居の主な介護者の悩みやストレスの状況
具体的に何にストレスを感じやすいのか
在宅介護をする中で実際に自分が何にストレスを感じているのか、明確にわからないまま疲れを溜めていっている方も多いと思います。
在宅介護のストレスとしてよく挙げられる例をリストにしました。
共感できるもの、できないものがわかると対処法もわかってきますよ。
1 自分の時間が取れないこと
要介護度が高くなるほど、介護に費やす時間は多くなります。
要介護4以上になるとおよそ65%の方が、ほぼ毎日つきっきりで介護をしていることがわかっています。
トイレの介助等で夜中も満足に眠れない場合もあります。
2 お金の心配
介護保険制度を利用していても、紙おむつや防水シーツ、介護用食品などの購入にはお金がかかります。
介護を理由に離職しなくてはいけなくなる場合もあり、支出が収入を超えてしまわないか不安になる方もいます。
3 介護することそのものがストレス
自分を育ててくれた親が弱った姿を見たくないといった精神的なストレスや、体位変更やお風呂やトイレの介助による身体的なストレスなど介護そのものがストレスになっている方も多いです。
介護の知識がないと肉体的な負担は倍増します。
介護ストレスをため続けるとどうなるか
自分さえ我慢すればと頑張り続けた結果、介護離職を選択してしまったり介護うつになってしまったりする方もいます。
要介護者を最優先に考えて自分の生活を二の次にしてしまう、まじめな人は要注意です。
介護うつ
介護者の4人に1人はうつ状態にあると言われています。
- 食欲がなくなる
- 休んでも疲れやだるさが取れない
- 不安感や焦りを感じてしまう
- ネガティブになりイライラする
このような症状に心当たりがある方は早めに病院を受診することで、重症化を防げます。
心療内科・精神科・メンタルクリニックいずれかにかかってください。
うつ病は早期に治療すれば治りも早く、薬を使わずに治すことも可能ですよ。
介護離職
介護と仕事の両立による心身の負担を軽くするために、仕事を辞める中高年層が増えています。
2011年10月から2012年9月の1年間で約10万人もの人が、介護を理由に離職しているという厚生労働省のデータもあります。
離職してしまうことでおきるデメリット
- 主な収入源がなくなる
平均的に、男性は約40%、女性は約50%収入が減っています。 - 社会的に孤立してしまう
介護だけの生活になると社会とのつながりがなくなり、閉塞感を感じるようになります.
仕事を辞めることで、心身ともに楽になるはずだったのに、実際には離職後に精神面、肉体面、経済面で負担が増したと答える人がそれぞれ50%を超えるそうです。
在宅介護に負担を感じても、離職せずに済む方法を検討してみてください。
こちらもCHECK
-
在宅で介護を始める方へ!在宅介護のメリット・デメリット紹介します!
続きを見る
在宅介護ストレスの解消法
私の両親は、在宅介護を続けている最中も祖父母がデイサービスに通っている時間等を利用して、趣味の山登りをすることでリフレッシュしていました。
在宅介護は365日24時間つづく大変な仕事です。
自分に合ったストレス解消法を見つけて、心のバランスを取りながら無理のない生活ができると良いですよね。
介護ストレス発散法「ベスト5」
在宅介護をがんばっている皆さんに、おすすめのストレス解消法を5つご紹介します。
友人とおしゃべりをする
あえて介護の話をしないのもいいですが、介護の苦労を分かち合える相手と話すのもおすすめです。
気軽に話せる友人がいないという場合は、地域の「介護者の会」などに参加して、自分の話をしたり他の人の苦労話などを聞いてみたりという方法もあります。
軽く運動をしてみる
ウォーキングなど軽く汗ばむ程度の運動を習慣づけると、血行が良くなり心身をリラックスさせることができます。
家の外に出られない方は少し長めの入浴をするだけでも効果がありますよ。
好きなものを食べる
好きな食べ物や、飲み物をとるだけで少しの間幸せな気分になれますよね。
お金も時間もかかりません。スーパーに買い出しに行ったついでに「自分へのご褒美」を買っておくといいですよ。
お気に入りの音楽を聴く
自分の時間が全く取れずに困っている方は、家事をしながら好きな音楽を聴くことをおすすめします。
要介護者の声が聞こえないと不安だという場合には、片耳だけイヤホンをつけるという方法もあります。
旅行に行く
ショートステイなどのサービスを利用して旅行に行けば、一気に気分が晴れますよ。
「自分だけ好きなことをして申し訳ない」という罪悪感を感じる必要はありません。
自分がリフレッシュすることで要介護者にとっても、気持ちの良い介護ができるようになるはずです。
ストレス解消する際の大事な心得
介護者がストレスを溜めて倒れてしまったら、要介護者を介護する人がいなくなって共倒れしてしまいます。
介護をしている方は、大切な人の介護を続けていくためにも自分をいたわることを大事にしてください。
また、ストレスを発散するにはできるだけ自分の時間に集中することがポイントです。
短時間であっても自分時間を確保できたなら、その間は家事はしないなど自分のルールを決めておくと良いですよ。
こちらもCHECK
-
【在宅介護の救世主】ヘルパーの仕事と役割、利用するメリット紹介します!
続きを見る
在宅介護の負担の根本的な解決策
年単位で続いていく在宅介護をしていく上では、ちょっとしたストレス解消法では太刀打ちできないような負担がたくさんあります。
根本的に問題を解決するにはどうしたらよいのかをまとめました。
介護の専門家に相談する
在宅介護をする方は、ストレスも不安もすべて一人で抱え込まないようにすることが大切です。
愚痴を聞いてもらうだけでも構いませんし、専門家の知識をもらったり、便利なサービスや支援を受けるきっかけもできるかもしれませんよ。
ケアマネージャー
利用者の立場に立って、総合的に介護サービスを組み合わせ必要としている支援を受けられるように管理してくれる人です。
ケアマネージャーへの支払いは介護保険によって賄われているので、自己負担はありません。
地域包括支援センターで冊子をもらって探します。
地域包括支援センター
介護や福祉などを総合的に相談でき、介護保険の申請窓口にもなっています。
かかりつけの主治医
認知症介護の場合はもちろんのこと、持病を持っている場合も要介護者の症状をよく理解していますし、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
職場で介護休業制度などを利用する
2015年から10年間で要介護の方は200万人増えています。今後仕事をしながら介護もするという人もどんどん増えていくということになりますね。
しかしながら、自分が介護をしていると職場に相談している人は全体の約60%で、約半数の人は職場に言わずに仕事と介護を両立させているのです。
総務省が行っている調査でも、働きながら介護をしている人のうち全体の約15%の人しか介護休業等の制度を利用していないことがわかっています。
育児の時短制度を取るのと同じくらい、皆が介護支援制度を利用していける世の中になるべきだと思います。
一定の要件を満たせば利用できる、介護をしながら働く人をサポートする制度を紹介します。
デイサービスなどと併用して、無理のない仕事と介護の両立を目指してみてください。
介護休業法
国で制定された制度です。要介護状態の家族を介護している人が最大通算93日の介護休業を取得できます。
介護休業中は、賃金の67%相当を給付金として受け取ることができます。
介護休暇
通院の付き添いや介護などを行うために、年間5日まで休暇を取得できます。
一日単位で取得できる、有給休暇のようなイメージです。
短時間勤務制度等
- 短時間勤務制度
- フレックスタイム制度
- 始業・終業時間の繰り上げ、繰り下げ
- 法定時間外労働の制限
- 深夜労働の禁止
- 転勤への配慮
介護休業などの制度を取得したことを理由にする解雇は禁止されていますが、社内でのポジションを変えられてしまったり、
リストラの対象となってしまうのではないかといったような不安もあるかと思います。
しかし、「無理なく続けらる介護」をしていくために勇気を出して制度の利用も検討してみませんか?
老人ホーム等施設への入所を検討する
大切な家族の世話を他人に任せることに、罪悪感を感じる方も多いと思います。
しかし専門的な知識を持ったスタッフが24時間体制でケアを行ってくれる方が、要介護者にとって良い環境で生活ができる場合もありますよ。
要介護度が上がるにつれて介護の負担は増し、介護者の方が先に倒れてしまうリスクもあります。
医療が進歩して平均寿命が上がっているので、介護期間も数年ではなく長いと20年にも及ぶ可能性があります。
自分と家族が幸せに無理なく暮らすために、老人ホーム等の施設への入所も含めて一番良い方法を考えてみてくださいね。
老人ホームの見学や比較検討には労力体力を費やしますので、要介護度が上がる前の生活に余裕があるうちに検討を始めてみるのがおすすめです。
こちらもCHECK
-
在宅介護で不安を抱える方必見!原因と解消方法紹介します!
続きを見る
まとめ
在宅介護は心身ともに家族への負担が大きいですよね。
長く続くストレスによってうつ病を発症する方も少なくありません。
この記事を読んでいただくことで、ストレスの原因を理解し、自分に合った解消法で発散してご自分の生活も大事にしてもらえたら嬉しいです。
またストレスの根本原因を取り除くことで、生活の質が向上することも考えられます。
何のために在宅介護をしているのか、今の生活のまま在宅介護を続けることが最善なのか、考え直すきっかけにもなれたら幸いです。