東京都港区と言えば、女性ならば一度は住んでみたいと考えた事がある街ではないでしょうか?
確かに、雑誌やテレビを見れば、何かと港区が取り上げられる事が多いですし、女性が好みそうなオシャレスポットが多いイメージがあるでしょう。
居住エリアとしても人気なようで、近年でもタワーマンションが次から次に建っている印象があります。
高級住宅街と呼ばれるエリアも多くある為、一見すると、普通の人ではとても住めないエリアと考えてしまいがちです。
しかし、港区では富裕層が数多く居住しており、大企業の本社もたくさん拠点を構えている事から、財政力も潤沢になっています。
これにより、どのような人でも安心して過ごせる行政サービスが、数多く展開されているといった魅力があるようです。
例えば、高齢者ならば、低価格で家事代行サービスが利用できるようになっているので、資金に余裕のない人でも、気軽にそのサービスを利用する事ができます。
また、医療機関の数が23区の中でも、2番目に多く設置されているので、たくさんある病院の中から自分に合った病院を選べるという選択肢の多さも魅力になってくるでしょう。
今回は、そんな東京都港区に定年後移住したくなる魅力を紹介していきます。
こんな人に読んで欲しい
- 東京都港区に、定年後移住しようと考えている人
- 住宅支援が充実している自治体に移住を考えている人
- 低価格で、家事代行サービスを利用したい人
- 医療体制が充実している自治体に移住したいと考えている人
目次
港区の概要
港区の人口は、約26万人で、面積は約20km²です。
千代田区や中央区と並んで、「都心3区」とも呼ばれるエリアになっているだけに、区外からも数多くの人が訪れる自治体になっています。
都心3区の名に相応しく、大企業が数多く本社を構えており、テレビや雑誌で取り上げられるような有名なレストランやカフェが数多く集まっているのも、港区の特徴です。
その知名度や人気は、首都圏で暮らしている人以外にも高いようで、地方の人に東京の港区に住んでいるという話をしただけで、驚かれたという話を聞いた事があります。
23区の中でも、ブランド力はかなり高くなっており、港区に住めるのは「成功者の証」とも言われるほどです。
港区でも、特にブランド力が強いと言われているのが、赤坂や青山、麻布辺りとなっており、これらの頭文字を取って「3A」とも呼ばれています。
私も以前、広尾駅付近に用事があったので、その辺りを散策する機会があったのですが、この辺は他の街とは明らかに違うと言ってもいいほど、周りの景色や空気感が違っていましたね。
この辺りは、フランス大使館やドイツ大使館などがある為か、白人系の外国人を見かける機会が多いです。
また、周りにはオシャレなカフェやレストランが多くあり、そこでいかにも優雅なマダムたちが談笑しているのを見かけました。
近くには、有栖川宮記念公園といった自然が豊かな公園もあるので、緑に囲まれて疲れた心や身体を癒す事もできるようになっています。
駅から少し離れると、立派なタワーマンションがいくつも建っており、その豪華さや迫力に驚いてしまう事でしょう。
「私も、いつかあんな優雅なセレブ生活を送ってみたいなぁ」なんて、ちょっぴり羨ましい気持ちになっちゃいましたね。
港区が居住エリアとしても人気なのは、都心でありながらも麻布のような閑静な住宅街があり、自然も多く、オシャレな飲食店が多いなど、たくさんの人を引き付けるような魅力を備えているのが、理由なのだと思います。
そんな人気の高い港区ですが、そこに移住するメリットとは、一体どういったものがあるのでしょうか?
港区に移住するメリット3選!
次に、港区に移住するメリットについて、お伝えしたいと思います。
具体的には、
- 住宅支援が充実している
- 低価格で家事代行サービスが利用できる
- 医療体制が充実している
の3つになります。
以下に、それらについて、解説していきます。
住宅支援が充実している
港区に移住するメリットとして、住宅支援が充実しているというのが挙げられます。
港区では、高齢者も暮らしやすい自治体にしていく事も理念にしているようで、高齢者を対象にした住宅に関する助成金が多くあるようです。
例えば、「高齢者自立支援住宅改修給付」というのを行っており、この制度を活用する事により、住宅を改修する費用を通常よりも安く抑える事ができます。(参考:港区公式サイト)
これは、自宅を高齢者が暮らしやすい設計にする為に、廊下やトイレに手すりを設置したり、バリアフリー設備への改修をする場合に、自治体がその費用の一部を負担してくれるという仕組みになっています。
高齢になってくると、自宅に手すりを取り付けないと、移動する際などに自分の身体をしっかりと支える事が難しくなってしまうので、手すりがないだけでも日常生活に大きな支障が出てくるでしょう。
私が以前、勤めていた介護施設の入居者でも、自宅で生活している最中に家に手すりがなかった為に、転倒してしまったという話を聞いた事があります。
「手すりがないのなら、すぐに手すりを取り付ければいいのでは?」と思う方もいるでしょうが、自宅に手すりを取り付けるだけでも、5~15万円ほどは掛かってしまうようです。
これぐらいの金額になってくると、手すりを取り付けたいと考えていても気軽に取り付けられるほど、安価な金額ではないという事が分かるでしょう。
そのような場合でも、「高齢者自立支援住宅改修給付」を活用すれば、手すりの取付けや段差の解消だと、20万円までを限度に区が助成金を給付してくれるので、その分住宅改修に掛かる費用の負担を減らす事ができます。
この制度は、65歳以上で日常生活に不安がある人が対象になっているので、認知面や下肢筋力の低下を感じている人は積極的に検討してみる価値があるでしょう。
このように、港区に移住すると、住宅支援が充実しているというメリットがあります。
低価格で家事代行サービスが利用できる
港区に住むメリットとして、低価格で家事代行サービスが利用できるというのも挙げられます。
港区では、「高齢者家事援助サービス」を行っており、これを活用する事により高齢者のみで生活している方でも、日々安心して生活する事ができるようです。(参考:港区公式サイト)
高齢者家事援助サービスとは、家事を行うのが難しい高齢者に対して、区がホームヘルパーを自宅に派遣し、利用者に代わって家事を行ってくれるという仕組みになっています。
認知症の高齢者の場合、掃除や洗濯、整理整頓、料理などの家事を行うのが難しくなってくるでしょう。
足腰が不自由な高齢者だと、家事を行う際にかがんだりするだけでも、身体への負担が大きくなってきます。
そのような家事をするのが困難だと感じる人にとっては、このサービスを利用するメリットは大きいでしょう。
ここまで聞くと「確かに便利そうだけど、利用しようと思ったらどうせ料金もかなり高いんでしょう」という風に考えている人もいると思います。
このサービスは、利用者へのメリットが大きい反面、利用料金については意外とそこまで高額といった感じではありません。
料金は、住民税非課税者ならば1時間120円となっており、課税者ならば200円で対応してくれるようになっています。
民間の家事代行業者に頼んだ場合、1時間で2,000~4,600円が相場となっているので、それと比較するとかなり安いと言えるでしょう。(参考:家事代行・家政婦の料金相場は?月2万円からの新しい暮らし)
この金額ならば、仮に課税者がホームヘルパーを1日に3時間利用して、それを週4日続けたとしても1ヶ月で9,600円の支払いにしかなりません。
週4日ホームヘルパーに来てもらっても、1万円以下に抑えられるというのは、老後の貯蓄が少ない方でも気軽に利用しやすいと言えるでしょう。
このように、港区に移住すると低価格で家事代行サービスが利用できるというメリットがあります。
医療体制が充実している
港区では、医療体制が充実しているというメリットがあります。
港区は、23区の中でも診療所や歯科診療所の数が2番目に多い区となっているので、区内のどこに住んでいたとしても、最寄りの病院までの時間が掛からないのが魅力だと言えるでしょう。(参考:港区公式サイト)
高齢になればなるほど、身体面の衰えが顕著になりやすく、それに伴って病院に通わなければならない頻度が増えてしまいがちです。
そうなると自宅から通いやすい範囲に病院が数多くある方が、定期的に通いやすいでしょう。
また、区内には大病院も数多く集まっており、虎の門病院や東京都済生会中央病院、山王病院など首都圏では著名な病院がいくつも揃っています。
東京に住んでいる私の知人が以前、脳の重い病気に掛かってしまい、都内の脳神経外科で実績のある病院を探していました。
すると、虎の門病院が脳神経外科分野で実績が豊富だという事を知り、その病院で手術をしてもらったという経緯があります。
難易度の高い大手術だったのですが、手術は問題なく無事に終了したようで、その知人も「腕の確かな先生に手術をしてもらえた事に、心の底から感謝している」と言っていました。
虎の門病院は、中央官庁の近くに立地している事もあり、長年そこで働く官僚からも贔屓にされている病院だそうです。
また、政財界のVIPも数多く来院する事から、VIP専用の通路もあると聞いた事があります。
日本に総合病院は数多くあれど、官僚といったエリートや政財界のVIPから贔屓にされている病院というのは、そう多くはないはずです。
そのような著名な病院が区内にあると、何か大きな病気をしてしまった場合でも、安心できるといった気持ちになりますね。
港区では、医療相談窓口の設置も行っているようです。
最寄りの病院がどこにあるか知りたい場合や病院に行きたいけれど、どこの診療科を受診すればいいのか分からなくなったら、電話で医療相談を受け付けているので、積極的に利用してみるのもいいと思います。
この窓口で働く相談員は、医療経験がない単なる事務スタッフというわけではなく、臨床経験が3年以上ある看護師が対応してくれるようです。
きちんとした医療経験がある看護師が担当してくれる分、安心して相談できますし、適切な回答がもらいやすいでしょう。
このように、港区に移住すると医療体制が充実しているといったメリットがあります。
港区に移住するデメリット
先ほど、港区に移住するメリットについてお伝えしましたが、それでは、デメリットはどうなっているのでしょうか?
具体的には、
- 治安が悪いエリアもある
- 家賃が高いエリアが多い
- 地盤が弱いエリアもある
の3つが挙げられます。
以下に、それらについて、解説していきましょう。
治安が悪いエリアもある
港区に移住するデメリットとして、治安が悪いエリアもあるというのが挙げられます。
港区は、都心で繁華街が多いエリアという事もあり、区内に居住している方だけでなく、区外からも多くの人が多く訪れる街になっているようです。
特に、六本木付近はクラブや居酒屋などが多い為か、夜遅くまでお酒を飲んでどんちゃん騒ぎしている人をよく見かけます。
夜になると治安も悪くなりがちなようで、そうしたトラブルに巻き込まれない為には、夜の遅い時間帯に繫華街のエリアをうろつくのは控えておいた方がいいでしょう。
家賃が高いエリアが多い
港区に移住するデメリットとして、家賃が高いエリアが多いというのが挙げられます。
港区は、都心でかつブランド力が高いエリアになっているので、23区の中でも家賃はかなり高い方です。
中野区や杉並区などの郊外だと、1Rで8万円ほどが相場になっているのに対して、港区では12万円くらいが相場となっています。(参考:株式会社LIFULL公式サイト)
麻布や青山、赤坂などの「3A」と呼ばれるエリアは、特にブランド力が高いエリアになってくるので、そこに移住するとなると相当の資金が必要になってくるでしょう。
逆に、港区でも芝浦や三田などの海岸に近いエリアになると、家賃も下がる傾向があるので、家賃を抑えたい人はその辺りを中心に探してみるのがいいと思います。
地盤が弱いエリアもある
港区へ移住すると、地盤が弱いエリアもあるといったデメリットがあります。
港区では、地盤が強いと言われている台地上になったエリアと地盤が弱いと言われている低地エリアの2種類があるようです。
地震大国である日本において、移住する際にはそうした自然災害のリスクも考慮に入れて、住居を選んでおいた方がいいでしょう。
一般的に区内で地盤が弱いと言われているのが、湾岸エリア付近になっています。
逆に、高級住宅街と呼ばれるような麻布や白金エリアになると、地盤が強いと言われているので、災害時でも安心できるでしょう。
しかし、そうした高級住宅街エリアであっても、一部低地になっている箇所もあるので、その点は気を付けるようにしてください。
移住したシニア世代の声
次に、実際に定年後に移住した方の感想について、見ていきます。
私も以前、自宅の改修工事を行ったのですが、その工事代金の内、20万円を区が負担してくれたので、とても助かりましたね。」 (60歳代 男性)
ただその分、都心へ移動するとなると、少し時間は掛かりますね。
それでも、家の近くにスーパーや薬局、病院などの施設は一通り揃っているので、不便だと感じる事はあまりないです」 (60歳代 女性)
まとめ
港区に移住するメリット
- 住宅支援が充実している
- 低価格で家事代行サービスが利用できる
- 医療体制が充実している
港区に移住するデメリット
- 治安が悪いエリアもある
- 家賃が高いエリアが多い
- 地盤が弱いエリアもある
いかがでしょうか?
港区に移住すると、治安が悪いエリアがあったり、家賃が高いエリアが多いといったデメリットがあります。
しかし、港区は23区でも富裕層が数多く居住しているエリアである為、財政力も非常に潤沢です。
その証拠に、低価格で家事代行サービスが利用できたり、医療相談窓口の受付も行っているので、高齢者にとって安心して生活できる基盤が十分に整っていると言えるでしょう。
港区は、人気のあるエリアになっているだけに、これまでも定期的に再開発が行われてきており、今後もそうした流れは続いていくと思われます。
今でも、十分に魅力ある自治体になっていますが、現状に留まる事なく、常に進化し続けていく街になっているのが、多くの人を引き付ける原動力になっているのかもしれません。