私の知人の女性が、現在50代後半なのですが、ずっと独身で今後も結婚の予定はないようです。
本人は、自分が独身である事を特に気にしている様子はありません。
しかし、独身のまま老後を迎えてしまうと、頼れる人が身近にいない為、何か異変があっても誰にも気づいてもらえない可能性があります。
それでは、単身世帯が老後を安心して迎えるには、どうすればいいのでしょうか?
今回は、そんな老後の独身の悩みとその解決策について、ご紹介します。
こんな人に読んで欲しい
- 現在、独身でこのまま老後を迎えるとどうなってしまうのか不安な女性
- 現在、シニア世代の独身で、今後の生活に不安を感じている女性
目次
老後に独身だとどういった悩みがあるのか?
まず、老後に独身のままだと、どういった悩みを抱えやすいのでしょうか?
具体的には、
- 貯金や資金が少ない
- 頼れる人が身近にいない
- 親の介護を自分だけでしなくてはいけない
の3つがあります。
以下に、それらについて、解説していきます。
貯金や資金が少ない
一般的に女性の収入は、男性よりも低いと言われています。
男性と女性の生涯賃金は、4000万~5000万円ほど開きがあるようです。
老後2000万円問題と言われているように、老後に掛かる生活資金は高額になっています。
夫婦共働き世帯の場合だと、旦那さんの収入も貯蓄に回せるでしょう。
しかし、独身だと自分一人の収入から貯蓄に回していかなくてはいけません。
男性よりも生涯賃金が少なくなりがちな女性が、一人で老後の生活資金を貯めていくのは、かなり大変であると言えます。
頼れる人が身近にいない
結婚相手がいないと老後になったときに、頼れる人が身近にいなくなってしまう可能性もあります。
もし、自分が病気やケガをしてしまった場合の事を想像してみてください。
旦那さんや子供がいれば、看病や病院への付き添いをしてくれるでしょう。
しかし、独身だと旦那さんも子供もいない為、そのようにはいきません。
もし、入院する事になれば、その手続きなどすべてを自分一人で行う事になるでしょう。
何か困った事があったときに、身内で相談できる相手もいないので、不安を抱えやすい人も多いようです。
親の介護を自分だけでしなくてはいけない
近年では、高齢になった親を高齢になった子供が介護をするというのも、珍しくないようです。
独身だと、旦那さんや子供がいない分、親の介護を自分一人でしなくてはいけなくなるかもしれません。
親の介護をする為に、現在の住居から実家に引っ越しをする方も、たくさんいます。
介護というのは、精神的にも肉体的にも大変です。
まだ、自分が40~50代くらいなら、親の介護をするのもそれほど問題ないかもしれません。
しかし、自分も高齢になってくると、そうはいかなくなるでしょう。
介護をしていると、腰を曲げたり、要介護者を持ち上げたりしたときに、腰への負担が掛かりやすいです。
介護士で腰痛に悩まされているという方は、少なくありません。
高齢になるほど、身体機能が改善するのも時間が掛かりやすくなります。
その為、一度腰痛に悩まされてしまうと、回復するまでの期間が長くなってしまいがちです。
また、筋力も低下しやすいので、要介護者を持ち上げたり支えたりするのも厳しいでしょう。
このような老老介護は、近年大きな問題となっているほど、その対象者は多いようです。
老後の独身に悩まない対策4選
それでは、そうした悩みを解消するには、どういった対策が有効なのでしょうか?
具体的には、
- ファイナンシャルプランナーに相談してみる
- 民間の身元保証団体と契約する
- 遠距離介護をしてみる
- 健康型有料老人ホームへの入居を検討する
の4つになります。
以下に、それらについて、解説していきます。
ファイナンシャルプランナーに相談してみる
老後の生活資金に困らない為にも、ファイナンシャルプランナーに相談して、家計管理や老後の生活資金を分析・設計してもらいましょう。
そうすれば、現在の収入や今までの貯金、毎月の出費などから、老後にはどれくらいの貯金が貯まっているか判断してもらえます。
また、貯蓄する為の方法や老後の生活資金の準備方法についても、アドバイスがもらえるので参考になるでしょう。
私の知人が以前、ファイナンシャルプランナーに相談して勧められたのが、リバースモーゲージという融資制度です。
リバースモーゲージとは、自分が今住んでいる自宅を担保に融資を受けるという制度になっています。
そうすれば、生活費に困ってしまってもリバースモーゲージを活用する事で、その融資の金額から毎月の生活費に充てる事ができるようです。
亡くなってしまった場合に、借入金が残っていたらその自宅を売却して、借入金を返済する仕組みになっています。
この制度を利用する人は、増加傾向にあるようで今後、さらなる需要が見込まれているようです。
もし、介護施設に入居しなければならない状態になってしまうと、高額の費用が必要になってくるケースもあるでしょう。
しかし、毎月の生活費だけで一杯一杯になってしまい、介護施設に入居する費用なんてとても払えないという方が多いようです。
そんな方でも、このリバースモーゲージを活用すれば、資金不足を補う事ができます。
このように、ファイナンシャルプランナーとよく相談して、老後の生活資金をしっかり確保できるようにしましょう。
民間の身元保証団体と契約する
老後に頼れる人がいないのなら、民間の身元保証団体と契約してみるのが、オススメです。
その団体と契約する為にはお金が必要になってきますが、公的サービスのように対象者の範囲が限定されていないので、幅広い方がそのサービスを受ける事ができます。
これは一人暮らしの高齢者ほど契約する方が多く、生活支援などのサービスも受ける事ができるようです。
今後、独身の高齢者が増加する可能性は高いので、今後も需要はあるでしょう。
しかし、このような団体と契約する場合、高額な料金を請求されるといったトラブルも発生しているので、契約前に料金体系をよく確認しておくようにしてください。
また、民間の団体の為、当然破産する事もあります。
そのような事態になってしまったら、預託金が一部しか返金されない可能性もあるでしょう。
そのようなトラブルに巻き込まれない為には、二者契約ではなく、三者契約の団体を選ぶようにしてください。
三者契約とは、契約者と契約先の団体、共助事務所の三者の事を指します。
二者契約は、契約者と契約先の団体のみで契約する分、三者契約よりも安いといった点が特徴です。
しかし、二者契約だと身元保証や生活支援などを適切に行ってくれているか分かりにくい場面もあります。
契約者が、認知症のような状態になってしまうと、なおさらです。
その為、契約通りに適切に実施されているかどうか確認する為には、共助事務所の存在が必要になってきます。
第三者を介在させる事で、業務の透明性が把握しやすくなるでしょう。
共助事務所は、司法書士事務所や行政書士事務所を中心に取り扱っているようなので、それらに積極的に相談してみてはいかがでしょうか?
任せるからには、三者契約ができる身元保証団体と契約する事で、安心で充実した老後を送れるようになります。
遠距離介護をしてみる
親の介護をする為に、実家に戻らなければいけないのなら、遠距離介護を検討してみてはいかがでしょうか?
遠距離介護とは、親と別居している子供が、離れた場所から親の介護をする事です。
介護をする為に、親と同居する事になれば日々、相当のストレスがたまってしまう可能性があります。
遠距離介護にする事で、そうした介護ばかりに追われる日々から解放されるでしょう。
親の介護ばかりで心身ともに疲れてしまい、介護鬱になってしまう方は少なくありません。
そうならない為にも、親と適度に距離を置く事も時には必要です。
また、親の介護をする為に、現在の自宅から実家に引っ越しをする必要がないというメリットがあります。
特に、女性の場合は一度仕事を退職してしまうと、再就職が男性よりも難しいようです。
仮に、再就職できたとしても、以前の年収よりも下がってしまう事も少なくありません。
自治体が実施している訪問サービスなども積極的に活用してみる事で、離れていても親の容態の変化を把握しやすくなるでしょう。
しかし、この遠距離介護には、緊急時の変化に気づきにくいといったデメリットも存在します。
同居していれば、すぐに体調の変化に気づく事も可能ですが、離れて暮らしているとそうはいきません。
一人暮らしの高齢者の中には、自宅で具合が悪くなったまま助けを呼ぶ事もできず、亡くなってしまった方というのも大勢います。
そのような事態にならない為にも、頻繁に連絡を取るように心掛けたり、ご近所さんにも定期的に確認してもらえるような協力をお願いしておく事が重要です。
このように、遠距離介護をしてみる事で、介護中心の生活にならずに済むでしょう。
独身の方ほど、自分一人で頑張りすぎて疲れてしまうなんてケースはよくあるようです。
そうならない為にも、適度に距離を置いて、地域と協力して介護や見守りをしていくといった考え方が有効なのではないでしょうか?
健康型有料老人ホームへの入居を検討する
自宅に一人で生活していく事へ不安を抱えていたら、健康型有料老人ホームへの入居を検討してみましょう。
健康型有料老人ホームとは、要介護状態ではない自立度の高い高齢者専用の老人ホームです。
入居すれば、体調が悪くなった場合に周りの人に気づいてもらいやすいので、大事になりにくいといった特徴があります。
一人暮らしをしていると、自宅で転倒してしまったり、意識がなくなってしまった場合、助けを呼ぼうとしても助けを呼ぶのは、中々難しいでしょう。
最悪、誰にも気づいてもらえず、亡くなってしまうというケースもあります。
しかし、健康型有料老人ホームでは、何かあっても大丈夫なようにスタッフが見守りをしてくれるので、そういった心配はいりません。
ケガや病気になってしまっても、早期に発見できれば、後遺症や重症化になる可能性は低くなるでしょう。
日々のちょっとした体調の変化もスタッフにこまめに伝えておけば、重大な病気になる前に気づける可能性があります。
自分が気づかなかったとしてもスタッフが気づいてくれる場合もあるので、そういった点でも、メリットがあると言えるでしょう。
私が介護施設で働いていたときに、普段の移動はシルバーカーを利用している人がいまして、その方の話をします。
その利用者は、かなり高齢で足腰も弱ってきているので、シルバーカーは止めて、車いすを利用するのを勧めました。
しかし、その利用者は、「車いすを使うのなんて、まだ早いよ」と車いすの利用を断られてしまいます。
その数ヶ月後、その利用者が廊下を移動中に、足元がふらついて転倒してしまうという事故が発生しました。
その事故があって以降、その利用者は、ずっと車いす利用に対応を変更しています。
このように、本人よりもスタッフの方が、知識や経験の面からその利用者の自立度を把握しやすいといったケースもあるでしょう。
その為、一人暮らしよりも施設への入居をした方が、生活の安全面でも安心した生活を送れるようになります。
また、一人暮らしをしていると、毎日の料理や洗濯、掃除などはすべて自分一人で行わなければいけません。
高齢になってくると、そうした家事をするだけでも一苦労です。
こういった悩みも、健康型有料老人ホームに入居すれば問題ありません。
そうした家事全般は、施設のスタッフが実施してくれるので、毎日の家事に煩わされるような悩みから解消されます。
ここまでの話を聞いたら、健康型有料老人ホームは、独身のシニア世代には心強い味方に見えるでしょう。
しかし、認知症や歩行能力の低下など、自立度が低下していると認められる場合には、退去を迫られる可能性もあるので、その点は注意する必要があります。
長く入居していたいと考えるのなら、普段から認知面や身体機能の低下を防止できるような取り組みを心掛けるようにしてください。
まとめ
老後に独身の悩みを解消するには?
- ファイナンシャルプランナーに相談してみる
- 民間の身元保証団体と契約する
- 遠距離介護をしてみる
- 健康型有料老人ホームへの入居を検討する
いかがでしょうか?
老後になって、お金がなかったり頼れる人がいないのなら、ファイナンシャルプランナーに相談してみたり、民間の身元保証団体と契約してみるといった事を検討してみましょう。
老後に独身の方ほど、一人で抱え込みすぎてしまう傾向があります。
悩んでしまったら、これらの人に相談してみるなど、積極的な行動が必要不可欠です。
より良い老後を送れるかどうかを決めるのは、あなたの行動次第だという事を覚えておいてください。