(引用:老人ホーム選びで重視するポイントとは?)
老人ホームを選ぶ際に、費用がどれくらいになるか気にされる方も多いのではないでしょうか?
実際に、株式会社LIFULL seniorが調査した「老人ホームを選ぶ際に重視したポイント」として、立地条件や医療体制よりも入居一時金や月額利用費用などの費用面を重視しているという人が多いようです。(上記表参照)
頑張って働いてもお給料が上がらない傾向がある昨今の日本において、老人ホームに掛かる費用が大きな負担だと感じてしまうのは、ごく自然な事だと思います。
そのような場合でも、入居費用が掛からない老人ホームを選んだり、ケアハウスに入居する事で、老人ホームに掛かる費用を抑える事ができるでしょう。
今回は、そんな介護費用を抑えたい場合にお金がかからない老人ホーム3選について、紹介していきます。
こんな人に読んで欲しい
- お金がかからない老人ホームの探し方について知りたい人
目次
老人ホームの費用は負担が大きい?
老人ホームの費用というのは、一般家庭には負担がかなり大きいと言えるでしょう。
多くの有料老人ホームでは、入居費用だけでもかなり高額になってしまうケースが多く、東京都のような大都市だと840万円ほどが相場となっており、全国平均でも580万円ほど掛かってしまうようです。(参考:東京平均、全国平均)
これほど費用が掛かってくるとなると、入居費用を支払うだけでも、一苦労でしょう。
例えば、40代前半の女性の場合、平均年収は318万円ほどとなっており、男性でも582万円ほどしかないようです。(参考:【2021年最新】40代の平均年収はいくら?男女別・職業別・学歴別に解説)
仮に、入居したいと考えた有料老人ホームの入居費用が全国平均となっている580万円ほどだった場合、40代前半の女性の平均年収である318万円の2倍近い金額が発生してくる事になります。
この事から、女性の収入と比べてみても、有料老人ホームの入居費用を支払うだけで、高い壁があるように感じてしまうでしょう。
さらに、入居費用以外にも毎月支払わなければいけない居住費や食費、管理費などの月額料金も介護付き有料老人ホームの場合だと、15~35万円ほど掛かってくる事になるので、入居費用を支払いが終わったとしても金銭的な負担が続くと言えます。(参考:老人ホームはいくらかかる?料金を種類ごとに比較)
利用者の今までの貯金から切り崩すという方法もありますが、年金受給額が削減された昨今において、蓄えが十分にあるという高齢者はそれほど多くないのが現状です。(参考:全国60代の男女の貯蓄額は「100万円未満」が最も多いという結果に!老後の資産対策のために、早いうちに取り組むべきこととは…?)
自分の貯金から支払う金額が多いと、今後の生活や不測の事態があった際に不安になってしまうかもしれないので、なるべく自分の支出を抑えたいと考える人は多いと思います。
それではどうすれば、老人ホームの費用を抑える事ができるのでしょうか?
お金がかからない老人ホームの探し方3選
老人ホームの費用は負担が大きい?について理解が深まったら、次はお金がかからない老人ホームの探し方3選について見ていきましょう。
具体的には、
- 入居費用が掛からない施設を選ぶ
- ケアハウスに入居する
- 多床室がある施設に入居する
の3点があります。
以下に、それらについて、解説していきましょう。
入居費用が掛からない施設を選ぶ
入居費用が掛からない施設を選ぶ事で、金銭的な負担を抑える事ができます。
老人ホームにおいて、金銭的な負担が大きい費用の一つが、入居時に必要になってくる入居費用です。
金銭的な負担を抑えたいのなら、入居費用が掛からない有料老人ホームや介護老人保健施設、特別養護老人ホームを選ぶといいでしょう。
介護老人保健施設や特別養護老人ホームだと、入居費用が不要になっている施設がほとんどになっているので、金銭的な負担を抑える効果が期待できます。
有料老人ホームは、どこも入居費用が必要だと考えてしまいがちですが、施設によっては入居費用が不要となっているところもあるので、そうした施設を中心に探してみるといいでしょう。
しかし、有料老人ホームの場合、入居費用が必要な場合と不要な場合という2種類のプランを提供している施設もあるので、その点は注意するようにしてください。
一見、費用を抑えたいと考えているのなら、入居費用が不要なプランを選ぶ方が、お得なように感じてしまいがちですが、実はそこに思わぬ落とし穴があります。
それは、利用者が施設に入居している年数によって、事前に入居費用を支払った場合よりも入居費用を支払わなかった場合の方が、かえって支払わなければいけない費用の総額が高くなってしまうという事があるからです。
入居費用が不要のプランというのは、あくまで最初に支払わなくてもいいという意味であって、入居費用を支払わない分後々、月額費用にプラスして徴収される事になります。
さらに、その加算された金額は入居費用分を支払ってしまえば、終わりというわけではなく、施設を退去するまで支払わなくてはいけない契約になっています。
ようするに、入居者が施設を長期で利用すればするほど、入居費用を支払わなかった場合の方が、総額で見た際の負担が大きくなってしまう可能性があるという事です。
その為、有料老人ホームを長期で利用する可能性がある場合は、負担が大きかったとしても、事前に入居費用を支払っておいた方が長期的な視点で見るとお得なケースもあるので、その点は注意するようにしてください。
例えば、自立度が高く、将来的に在宅復帰を目指している利用者の場合、それほど長期で施設を利用するという事にはならないと思うので、入居費用を支払わなくても問題ないかもしれません。
それに対して、要介護度が重い利用者の場合、在宅復帰を目指していたとしても短期間でそれを目指すのは難しい傾向があるので、結果として入居している期間が長くなりがちです。
そうした利用者が入居するのなら、なるべく事前に入居費用を支払っておいた方がいいでしょう。
このように、入居費用が掛からない施設を選ぶ事で、金銭的な負担を抑える事ができます。
ケアハウスに入居する
ケアハウスに入居する事でも、金銭的な負担を抑える事ができます。
ケアハウスとは、60歳以上の年齢になっている高齢者が、自宅での安全な生活が困難であるとされた場合に入居ができる施設の事です。
運営母体は、地方自治体や社会福祉法人によって運営されており、そこから助成金が支払われているので、その分低価格でサービスを受ける事ができるようになっています。
ケアハウスには、「一般型ケアハウス」と「介護型ケアハウス」の2種類があり、利用者の自立度や状態により、適切な方を選ぶ形式になっているようです。
一般型ケアハウスは、60歳以上の高齢者が利用できるようになっており、掃除や食事、洗濯などを利用者に代わってスタッフが行ってくれるようになっています。
高齢者の場合、認知機能の低下により、掃除を適切に行う事が困難になりがちです。
廃棄しなければいけないものがどれか分別できなくなったり、整理・整頓などができなくなってしまうので、掃除をしたとしても家の中が散らかってしまうという事はよくあるようです。
そういった方は、この一般型ケアハウスに入居する事で、掃除などに不安がある高齢者の悩みを解消できると言えます。
ただし、認知訓練や筋力強化向上などの自立度向上といったプランは含まれていないので、その点は注意するようにしてください。
将来的に在宅復帰を目指す人には向いていないサービスになっており、掃除や洗濯などを利用者がやらなくなった分、かえって認知機能の低下がより進んでしまう事も考えられるでしょう。
それに対して介護型ケアハウスは、65歳以上の高齢者でかつ要介護状態にある人が利用できるサービスになっています。
一般型ケアハウスで挙げた掃除や食事などのサービスに加えて、排泄介助や入浴介助、自立度向上などのサービスも組み込まれているようです。
トイレや入浴の際に利用者一人だと不安があるといった方を対象にしており、一般型ケアハウスを利用している利用者よりも自立度が低い人を想定していると思われます。
一般型ケアハウスは、在宅復帰を目指している利用者には向いていないサービスとなっているのに対して、介護型ケアハウスは認知機能の改善や筋力強化などのプランも組まれているので、在宅復帰を目指したい方にも向いていると言えるでしょう。
施設によっては自立度が向上し、要介護状態ではなくなったとしても、継続して利用を続けられる施設もあるので、最期を迎えるのを施設で過ごしたいと考えている人にもメリットがあります。
しかし、ケアハウスには、こうした介護サービスを安価で受けられるといったメリットがある一方、施設の数が少なく、入居するのが難しいといったデメリットもあるようです。
安価で入居できるといったメリットから、どこのケアハウスも入居を希望している人が多い為、入居したいと考えていても、倍率が高くて入居できないといった事は珍しくありません。
こうした事から、ケアハウスへ入居を希望するなら、すぐに入居できない可能性があるという事を覚えておかなければいけません。
このように、金銭的な負担を抑えたいなら、ケアハウスへの入居も検討してみる余地があると言えます。
多床室がある施設に入居する
多床室がある施設に入居する事で、金銭的な負担を抑える事ができるでしょう。
介護施設によっては、一人だけの居室となっている個室タイプと、2人~4人ほどの利用者が同じ居室で生活する多床室タイプの2種類が存在している施設もあります。
個室タイプを利用すると、利用者一人で使用する分、月額費用も高額になりがちです。
それに対して多床室タイプだと、複数の利用者が共同で同じ部屋を利用する事になるので、一人当たりの費用の負担も軽減しやすいと言えるでしょう。
しかし、費用を安く抑えられる反面、共同となっている居室で過ごす事になるので、それにより他の利用者とのトラブルが起きやすくなるかもしれません。
考えられるトラブルとしては、私物の紛失や盗難、喧嘩などが挙げられるでしょう。
認知機能に不安がある利用者の場合、判断力の低下から自分のモノと他人のモノの区別が付かなくなってしまい、悪気がなくても他人の私物を盗んでしまう事があります。
そのような利用者が同じ居室にいると、いつの間にか自分の私物がなくなってしまい、トラブルになってしまうという可能性があるでしょう。
施設のスタッフ側としては、必ずしも各利用者の私物を一つ一つ把握しているわけではありません。
家族の私物だと思っていたものが、他の利用者に使われていたとしても、スタッフがそれに気付けない可能性もあるでしょう。
施設によっては、トラブル防止の観点から全ての私物に名前を明記する事を義務付けているところもあります。
私服などに名前を記入するようにしておけば、仮に他の利用者が持っていたとしても、自分たちのものだという事を証明できるので効果的です。
また、かんしゃくを起こしやすい利用者と同じ居室だと、些細な事がきっかけで喧嘩になってしまうという事も十分に考えられます。
女性の利用者を多床室で入居させる事になった場合、同じ居室の利用者は女性である事が多いですが、女性同士だから大きなトラブルは起きないとは限りません。
認知面の問題から、たとえ女性の利用者であっても、殴ったり叩いてくるなどの暴力的な行動がある方もいらっしゃいます。
そのようなトラブルを未然に防ぐ為には、同じ居室の利用者がどういった人柄なのかを事前にスタッフからヒアリングしておきましょう。
もし、トラブルを起こしそうな利用者と一緒の居室になるといった事を告げられた場合、居室を変えてもらう事ができないか積極的に交渉してみるのも一つの手です。
このように、多床室に入居する事により、利用者同士のトラブルが発生してしまう可能性もあるので、その点は注意するようにしてください。
以上の事から、多床室がある施設に入居する事で、金銭的な負担を抑える事ができるかもしれません。
まとめ
お金がかからない老人ホームの探し方3選
- 入居費用が掛からない施設を選ぶ
- ケアハウスに入居する
- 多床室がある施設に入居する
いかがでしょうか?
お金がかからない老人ホームに入居したいのなら、入居費用が掛からない老人ホームを選ぶようにしたり、ケアハウスに入居するといった探し方が有効になってきます。
老人ホームに掛かる費用というのは、何かと高額になりがちです。
入居費用や居住費や食費、管理費などを支払うとなると、家計を圧迫してしまう事になりかねません。
入居者の今までの貯金から捻出しようと考えても、蓄えがそれほどないという人も多いと思います。
しかし、今回紹介したような探し方をしてみる事によって、老人ホームの費用を抑える事ができるので、ぜひそうした観点から検討してみてはいかがでしょうか?