こんにちは。ちはるです。 もちろん自宅で最期を迎えることが本人にとって理想です。 施設を利用したいと思ってもすぐには入所できない現状があります。 そのために事前の準備(情報収集)が大切です。 \ ま ず は 気 軽 に 資 料 請 求 し て み ま し ょ う ! /
私は長年介護施設や訪問介護など仕事を通して、様々な家族を見てきました。
在宅で姑を介護する嫁。高齢の母親の介護をする独身の息子。認知症の旦那を一人で介護する妻。
家庭には、それぞれ事情があります。
しかし、在宅で介護をしている人たちを見ると、皆悩みを抱えており、日々の生活に疲れ切っています。
「介護する側と介護される側の本当の幸せとは?」と考えた時にお互いの心身が健康で、より充実した生活ができる必要があります。
でも介護する側と介護される側お互いの幸せを掴むために、介護施設に入所することも選択肢の一つです。
まずは住んでいる近くの施設の詳しい情報を調べてみましょう!
みなさんは、老人ホームの入居費用がいくらになるのか知っているでしょうか?
民間の有料老人ホームであれば入居だけでも数十万円が当たり前で、さらに毎月20万円前後の費用がかかるとされています。
年金の種類にもよりますが、国民年金なら月5~6万円程度であり、差額の10数万円は家族が支払わなければなりません。
私の知る家族では、一人暮らしの母を心配した子どもがグループホームという個室を割り当てられる民間施設に入居させました。
しかし、民間施設の費用をきちんと見ていなかったため、毎月年金以外にも10万円以上の支払いが発生してしまった結果、子どもの生活が立ち行くなくなったそうです。
入居させるなら「親が安心して暮らせる場所を」という子どもの思いは皆同じだと思いますが、お金の問題は非常にシビアな話です。
親が毎月いくらの年金をもらっているのか、近くに入居できる施設はあるのか、一時金や月々の負担はいくらになるのかなど、現実的に検討すべき問題は色々あります。
また現実的には全てを年金のみで老人ホームの費用をまかなうのは難しいでしょう。
年金以外にも工夫や制度を利用して、老人ホームに入居するのが最善と言えます。
今回は年金でも負担を少なく入居できる公的施設の紹介と、年金だけでは入居が難しい場合の対処方法について紹介していきます。
目次
年金だけで入居施設を探す前に把握すること
入居する施設をいきなり探すのは現実的ではありません。
親の年金が月いくら入金されているか把握していないと、いざ入居する段階になってから費用の面でトラブルになりかねないのです。
そのためまず入居施設を探す前に把握しておくべきことが2点あります。
- 毎月の年金額を把握する
- 老人ホームにはいくら掛かるのか把握する
それでは解説していきます。
毎月の年金額を把握する
厚生省のデータによると令和元年度の年金の平均月額は国民年金で5万5,946円、厚生年金で14万4,268円となっています。
(厚生労働省 令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況より:https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf)
あくまで平均額なのでご家庭によって差はありますが、入居する老人ホームは年金から可能な範囲でまかなえる施設を選びたいところです。
毎月の年金額は2か月に1度、指定の口座に振り込まれているはずなので、それを2で割ると月額いくらになるかわかります。
施設入居するにしても、一時金や月額の費用を年金からどれだけ出せるのか把握していないと、家族の負担は思わぬ高額になる可能性もあります。
まずは親の年金額を把握することから始めましょう。
老人ホームにはいくら掛かるのか把握する
次に入居する施設についても費用を把握しておきましょう。
施設には公的施設と民間施設の2種類があり、公的施設は入居費や月額利用料が低く押さえられる反面、入居待ちがかなり多いです。
民間施設は入居費や月額利用料が高い反面、入居までの流れがスムーズなことが多いという差があります。
今回は年金で入居できる老人ホームの紹介であるため、公的施設を前提に考えていきます。
公的施設には、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院、ケアハウスの4種類があり、それぞれに入居できる条件や期間が異なるので注意です。
特別養護老人ホーム
要介護度の高い人向けの施設で、終身での利用が可能なうえ、費用も年金の範囲内で抑えられるため非常に人気が高くなっています。
厚生労働省によると2019年12月の時点で特別養護老人ホームの待機者は29万2000人です。
(厚生労働省 特別養護老人ホームの入所申込者の状況より:https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf)
1施設につき200人弱の待機者がいる計算で、特別養護老人ホームの人気の高さがわかります。
特別養護老人ホームの費用や入居条件を見てみましょう。
初期費用・入居一時金 | 不要 |
月額費用 | 5万円~20万円 |
入居条件 |
65歳以上 原則要介護度3以上 |
費用面ではかなり安く、国民年金でも入居が可能な範囲です。
この他におむつ代や医療費、日用品代は別で必要ですが、入居にかかる費用だけなら圧倒的に安いのが特別養護老人ホームです。
ただし、入居条件は少し厳しく、要介護度3以上が原則になっています。
要介護度3以上は認知症に加え、日常生活の多くに介助が必要な状態です。
そのため在宅介護を受けながら待機している人や別の施設に入居して枠が空くまで待つ人も多くなっています。
ご家庭の状況に合わせて待機状態をどう過ごすか考えましょう。
老人保健施設
病気療養での退院直後に、すぐ自宅へ帰って日常生活を送るのが困難な場合に、リハビリをメインとした老人保健施設に入居できます。
特別養護老人ホームに比べて入居条件が厳しくなく、費用も安いのが老人保健施設です。
ただし、リハビリをメインとした施設なので、回復すれば帰宅しなければなりませんし、原則入居期間は3か月までです。
老人保健施設の費用と入居条件を見てみます。
初期費用・入居一時金 | 不要 |
月額費用 | 8万円~20万円 |
入居条件 |
要介護度1以上で医師からリハビリの指示が出ている方 原則3か月まで |
あくまでリハビリと日常生活への復帰を目的とした施設なので、終身での利用はできません。
3か月間の入居期間で在宅ケアの準備をするか、別の入居施設を探すことをおすすめします。
介護医療院
日常的な医療や介護のサービスが必要な方が入居できる施設です。
施設には医師と看護師が常駐することになっており、入居対象は要介護の方や認知症の診断を受けた方です。
長期での入所も終身での入居も可能なので、特別養護老人ホームに入れない方でも介護医療院なら長く入ることができます。
介護医療院の費用や入居条件を見ていきます。
初期費用・入居一時金 | 不要 |
月額費用 | 8万円~20万円 |
入居条件 |
要介護1以上の方 日常的に医療ケアが必要な方 |
介護医療院は低価格なうえに、入居条件も緩やかなため狙い目の施設と言えます。
ただし、ここ5年ほどで施設数が増えてきているものの2021年3月時点で全国に572施設、1県平均で12施設ほどしか存在しません。
(独立行政法人福祉医療機構 経営サポート事業より:https://www.wam.go.jp/hp/kaigoiryoin/)
地域によっては離れた場所にしか存在しないため、施設数の少なさとそれによる受入人数の少なさがネックになります。
特別養護老人ホームに代わる終身入居施設としても期待できるので、お近くに介護医療院があるか探してみるのもおすすめです。
ケアハウス
軽費老人ホームとも言われ、身寄りがない方や家族が遠方で支援するのが難しい方向けの施設です。
他の公的施設と異なり、初期費用は掛かることもありますが、月額の費用は安く設定されています。
また入居者の年収に応じて費用が変わるため、国民年金のみの方でも入りやすいのがケアハウスです。
ケアハウスの費用と入居条件を見てみます。
初期費用・入居一時金 | 0円~15万円 |
月額費用 | 6万円~30万円 |
入居条件 | 身寄りがないまたは家族からの支援が受けられない60歳以上の方 |
ケアハウスには入居期間の制限もなく、費用が安いため待機者が多い施設の1つです。
早くて半年、長いと1年ほどの待機期間があるとされています。
もし入居を検討する場合、介護認定を受けているか否かで相談窓口が変わる点に注意です。
- 要介護認定を受けている、在宅の介護サービスを受けている場合はケアマネージャー
- 要支援や要介護認定は受けていない方は地域包括支援センター
年金だけでの入居が難しい場合の対処法
費用を抑える対処方法
国民年金だけしか収入源がなく、年金だけで入居費用をまかなうことが難しい場合もあるでしょう。
老後に向けて貯蓄がある場合は、年金と貯蓄次第で入居を続けることも可能ですが、毎月年金以外でも数万円~10万円前後の出費を続けるのは実際には厳しいことも予想されます。
そのため、どうしても入居費用が足りない場合の対処方法と老後に向けての資産形成の方法をいくつか紹介します。
- 生活保護を利用する
- 介護保険サービスや医療費介護費の軽減・助成制度を利用する
- 世帯分離を行う
- 入居する施設の利便性、築年数で選ぶ
- 個室より多床室の施設を探す
生活保護を利用する
年金だけで入居費がまかなえない場合に、生活保護を利用するという方法があります。
社会的にはあまり勧奨できない方法ではありませんが、どうしても必要な場合は市区町村の窓口やケースワーカー、ケアマネージャーに相談しましょう。
ただし、この方法を選択すると生活保護法で指定を受けている施設しか選べなくなるので、入居したい施設がある方は別の方法を検討する必要があります。
介護保険サービスや医療費介護費の軽減・助成制度を利用する
こちらは申請することで所得に応じた介護費用の軽減制度です。
例として、
- 高額介護合算療養費制度:医療費及び介護保険の対象で、年間の自己負担額が一定基準を超えた場合に超過分が返還される制度
- 高額介護サービス費制度:毎月利用した介護サービスの費用が、基準額を超えた場合に超過分が返還される制度
市区町村の窓口で申請する必要があるので、忘れず申請するようにしましょう。
また市区町村独自に補助や助成を行っているところもあります。
お住まいの地域でどういう補助制度があるか知りたい方は、市区町村役場の介護保険課、介護福祉課、高齢福祉課などに相談してください。
世帯分離を行う
公的施設は月額の費用が世帯収入によって変化する施設があります。
ケアハウスがその例で、この場合には世帯分離をしておかないと、家族の収入を含んだ月額費用になってしまうので注意しましょう。
入居を決定する前に、月額費用が世帯収入によって変動するのかどうか確認し、必要なら早めに世帯分離を進めましょう。
入居する施設の利便性、築年数で選ぶ
最後に参考程度のものですが、入居する施設の月額費用は土地の地価によって変動します。
賃貸物件と同様、駅の近くや交通の要衝になっている場所に近いほど月額費用は高くなるのです。
そのため、費用面で安く、穴場になりやすいのは町の郊外に位置する介護施設です。
少し不便な位置でもよければ郊外を選びましょう。
さらに参考程度ですが、築年数の長い施設ほど月額費用が安い傾向があります。
これは施設、設備の老朽化が関係しているので、全ての施設に当てはまるわけではありません。
しかし築年数の古い施設で探してみるのも、費用を抑えたい場合にはおすすめです。
個室より多床室の施設を探す
最近は個室での入居が可能な施設も増えてきていますが、個室の場合は2~4人部屋に比べて入居できる人数が減ってしまうことになります。
つまりその分、施設側の収入源が減ることになるので、月額費用は高くなります。
個室のほうが月額費用は割高になりやすいので、可能なら多床室を探すと費用を抑えられるでしょう。
老後に向けて貯蓄する
年金だけでは将来が不安、貯蓄が思うようにいかない方には、個人年金保険やiDeCoの利用もおすすめです。
個人年金とは、確定年金、終身年金、有期年金、変額個人年金、外貨建て年金などの種類があります。
基本的には65歳の国民年金や厚生年金受給までのつなぎとしての役割が多いですが、終身年金や有期年金では10年、20年で継続的に払い戻しがされるので、通常の年金に加えて収入源とすることができます。
またiDeCoは一度積立を始めると60歳までは絶対に払い戻しはありませんが、その後は一括で受け取るか、期間を定めて受け取ることもできるので、長期的な視点で資産形成・貯蓄を考える方にはおすすめです。
個人年金もiDeCoも掛け金は税額控除の対象で、利息や運用による利益も非課税なのでメリットは多い方法です。
ご家庭の状況に応じて、親やご自分の個人年金やiDeCoを始めることも将来の備えとしては選択肢になるでしょう。
まとめ
年金でも入れる老人ホームの紹介と入居が難しい場合の対処方法を解説しました。
民間施設は高額になるので公的施設に入りたいと多くの人が考えていますが、受け入れ施設数や収容人数が少ないために需給バランスは合っていないのが現状です。
安く利用するためには、各種の制度利用や世帯収入の調整などの方法を試してみることも選択肢になります。
また自分や家族の将来の備えは早いうちにしておくことで、いざという時に困ることが少ないはずです。
今回の記事で紹介した内容が、老人ホームの入居に費用面で戸惑っている方の参考になれば嬉しいです。