東京に住んでいる知人が先日、東京から神奈川県にある鎌倉市に移住したという話を聞きました。
その知人は、今まで東京の都心部に居住しており、その生活を謳歌していました。
なぜなら、都心の方が職場に近いし、オシャレスポットも多いので、そういった点に魅力を感じていたからのようです。
そんな知人が、東京から離れた鎌倉市に移住したなんて話を聞いたときは、とても驚きました。
知人が鎌倉市に移住した理由としては、これからは鎌倉市のような都心から離れた郊外でも、ライフスタイルを謳歌する事ができるからのようです。
知人曰く、鎌倉市には、ずっと住み続けたくなる魅力がぎっしり詰まっている、との事です。
例えば、定年後でも安心して働ける環境がある事や都心へのアクセスがいい事などが挙げられます。
今回は、そんな神奈川県鎌倉市に移住したくなる魅力を紹介します。
こんな人に読んで欲しい
- 鎌倉市に定年後移住しようと考えている人
- 定年後でも、安心して働ける環境を求めている人
- 定年後に、安く住居を購入したいと考えている人
- 定年後に、都心へのアクセスがいいエリアで暮らしたいと考えている人
- 定年後に、東京から近隣のエリアに移住したいと考えている人
目次
鎌倉市の概要
まず、鎌倉市の概要について説明していきましょう。
具体的には、
- 鎌倉市の特徴
- 郊外としての魅力
の2点があります。
以下に、それらについて、解説していきましょう。
鎌倉市の特徴
鎌倉市の人口は約17万人で、面積は約40km²になっています。
鎌倉市は、文字通り鎌倉幕府の時代に繁栄を極めた日本有数の歴史都市です。
周囲には、神社やお寺などが数多く存在しており、その多くが観光地して認知されています。
また、海や山に囲まれた自然豊かな環境になっており、歴史と自然が見事に融和した風光明媚なエリアになっています。
かつては、皇室の御用邸や華族の別荘がある事から、上流階級にも愛される場所となっていました。
今では、残念ながらそれらの施設はなくなってしまいましたが、現在では芸能人や資産家の別荘が数多く建てられているように、時代を超えても上流階級から愛されるような歴史と気品を備えたエリアと言っていいでしょう。
あなたもこの街に住む事によって、多くの偉人が今まで築き上げてきた歴史の重みを直に感じられるようになると思います。
鎌倉市は、俗に言う湘南エリアの一部に入りますが、湘南の響きから鎌倉をイメージしづらいという人もいるのではないしょうか?
確かに湘南と言えば、多くの方がイメージするのが藤沢市や江ノ島辺りになっていて、鎌倉市を連想する方はあまり多くないといった印象を受けます。
市民の中には、「鎌倉」というネームブランドにプライドを持っている方も多いようで、湘南というように他の自治体と一括りにされる事を嫌う傾向があるのかもしれません。
郊外としての魅力
鎌倉市は、郊外としての魅力も兼ねそろえたエリアになっています。
東京から近いエリアと考えると、鎌倉は東京と似たような雰囲気があると考えている方も多いかもしれませんが、実際の鎌倉は東京から近いエリアにも関わらず、全く違った雰囲気を醸し出しています。
鎌倉市は、フランスのニースと姉妹都市の提携を行っています。
ニースというと、ヨーロッパ有数の高級リゾート地というイメージをする人が多いのではないでしょうか?
鎌倉市の冬でも温暖な気候と歴史と自然が融合した風光明媚な雰囲気が、ニースと似ている事から姉妹都市が締結されたようです。
鎌倉市で暮らせば、まるでニースに来たかのような、優雅な気分を味わえるのかもしれません。
鎌倉で暮らす人の間では、「鎌倉時間」という言葉があるくらい、鎌倉市には他の自治体にはないような、ゆったりとした独特の時間が流れているようです。
東京で毎日あくせく働いていて時が流れるのが早いと感じていても、鎌倉に来る事でスローライフな生活を味わえるようになるでしょう。
高級感はあっても肩肘張らずにいつも自然体でいられる、そんな生活を送ってみたい人には、ピッタリのエリアだと思います。
また鎌倉には、鎌倉野菜やしらすなど、地場産の食材が数多くあるのも魅力の一つです。
鎌倉野菜は、味が濃く、農薬をあまり使用していないという特徴があり、市内のレストランでも鎌倉野菜を使ったメニューが多くあります。
首都圏に暮らしている人あるあるなのが、地場産の食材が少ない、もしくはあったとしてもあまりおいしくないという点です。
鎌倉は、そのような首都圏においては、珍しいと言えるくらい魅力あふれる名産が数多く溢れています。
鎌倉生活総合研究所の宇賀亮介氏は、鎌倉市付近への居住について、次のように述べています。
「電車で30分も行けば都心とは違う自然や文化、街並みのある「郊外」があることで都市に暮らす人々の生活はもっと豊かになるのです。
そういった中で数少ない都心に対抗できる「郊外」としての可能性を感じたのが鎌倉・逗子・葉山でした。ここは都心とは明らかに違う文化や自然、街並みがあります。
ですから私は10年前に新宿から鎌倉に移住しました。これから人口減少や在宅勤務の進展、車の自動運転など都市における住まい方が大きく変わってくると思います。21世紀は超便利で最先端な都心の周りに自然豊かで独自の都市文化を持った郊外が点在していくことが求められるのではないかと私は考えています。」
(引用:阪神間モダニズムと鎌倉・逗子・葉山)
数年前まで、首都圏で流行っていた職住近接という流れはやがて徐々に廃れていき、いずれは都市と郊外、職場と住居といったように、それらを分けて考えるていくのが、これからの世の中に求められているのかもしれません。
鎌倉市は、そんな新しいライフスタイルのお手本・指標となるような自治体へ変化していく事を期待したいですね。
鎌倉市に住むメリット3選!
(引用:セカンドライフかまくら 応援サイト)
次に、鎌倉市に移住するメリットについて、お伝えしたいと思います。
具体的には、
- 高齢者雇用を促進している
- 空き家であれば安く住居を購入できる
- 都心へのアクセスがいい
の3つになります。
以下に、それらについて、解説していきます。
高齢者雇用を促進している
鎌倉市では、高齢者の雇用促進事業として「セカンドライフかまくら」という取り組みを行っています。
定年後でも仕事を続けていきたい、もしくは金銭的な不安があるという人には、高齢者でも仕事を見つけやすかったり、相談しやすいといった基盤が整った自治体を探しておくべきです。
このセカンドライフかまくらでは、高齢者を対象とした求人や就職に向けてのセミナー、体験談、相談窓口などを設置しています。
これにより、仕事探しで悩みがあっても窓口に相談すれば、ジョブ・コーディネーターが親身に相談に乗ってくれるでしょう。
過去に自分と同じ悩みを抱えている人がいれば、その人の対応事例を紹介してもらえる事もありますし、その分ノウハウも豊富にあると思います。
定年後でも、まだまだ仕事を頑張りたいと考えている高齢者にとっては、自治体が高齢者の雇用促進に積極的に取り組んでいるのは、注目すべき点であると言えます。
鎌倉市がこのような取り組みを行っている背景として、市内全体の居住者における高齢者の占める割合が高くなっているといった事が挙げられるでしょう。
自治体が令和3年度6月に行った調査では、市内に居住している65歳以上の高齢者は、実に3割以上を占めているようです。(参考:鎌倉市地域別年齢3区分別人口)
その為、鎌倉市としても、高齢者が暮らしやすいまちづくりを進めていく事を今後の課題として挙げているようです。
鎌倉というと、観光地であり海にも近いので、若い人が多く暮らしているイメージを持ちやすいですが、意外と高齢者が多い街だったというのは驚きですね。
しかし、それは裏を返せば、同じ世代の人が多く居住しているという事なので、高齢者同士の交流も深めやすいという事になります。
このセカンドライフかまくらに参加する事で、高齢者同士の交流や出会いが生まれるので、この活動をきっかけに仲良くなれる人を増やせたら嬉しいですね。
このように鎌倉市では、セカンドライフかまくらという取り組みを行う事で、高齢者が定年後でも安心して働き続けられる環境の整備に力を入れています。
空き家であれば安く住居を購入できる
鎌倉市で安い費用で住居を購入したいと考えるのなら、空き家がオススメです。
鎌倉市は、東京から離れた地の利にも関わらず、地価が高い傾向にあります。
首都圏の地価というのは、概ね東京の都市部に近いほど、地価が上昇する傾向があるようです。
逆に、都市部から離れるほど、地価が下がる傾向があるので、金銭面の融通が厳しい方ほど、都市部から離れたエリアに居住する傾向があります。
それに対して、鎌倉市は、近隣の藤沢市や横須賀市よりも地価が高い事が多いです。
理由としては、鎌倉市が観光地として人気がある事や風致地区に指定されている地域が多い事が挙げられます。
そういった地価が高い鎌倉市で、金銭的な負担の少ない住居を探すのは、至難と言えるでしょう。
預貯金が少ない方であっても、比較的手を出しやすいのが空き家になってきます。
こうした空き家は、相場よりも安く購入できるケースが多いので、空き家を中心に住居を探してみるのもいいと思います。
しかし、自治体としても、こうした空き家が多い事を重く受け止めているようです。
自治体では、昨今空き家対策に力を入れており、それにより今後、市内の空き家数を減らしていく計画が行われています。
今後、空き家が減ってしまうと、その分手ごろな物件が減ってしまう事になるので、住居を探すのなら、空き家が少なくなる前に探しておいた方がいいでしょう。
このように、地価が高いと言われている鎌倉市であっても、空き家であれば住居に掛かる費用を安く抑える事ができます。
老後になっても、住宅ローンの支払いが終わらず、破産してしまう高齢者が多いのが、昨今の現状です。
安心した生活を送る為にも、住居にお金を掛け過ぎない事も重要になってくると言えるでしょう。
都心へのアクセスがいい
鎌倉市に住むメリットとして、都心へのアクセスの良さが挙げられます。
例えば、鎌倉駅から渋谷駅までだとJR湘南新宿ラインで約53分、新宿駅までだと約59分となっており、東京のターミナル駅まで乗り換えなしで1本で行ける利便性を持ち合わせています。
地図で見ると、都心からかなり離れているように感じますが、電車だと意外とそこまで時間は掛からないようですね。
道中もそこまで混んでいるといった感じではなく、途中駅の横浜駅などで降りる人も多いので、混雑してしまって窮屈というわけではありません。
そのタイミングで席が空く事も多いので、電車から降りるまで、ずっと立ちっぱなしという状況にはならないでしょう。
また、グリーン車も運行しているので、そちらを利用すれば乗車してから下車するまでずっと座っていられますし、一つ一つの座席が広いので、リラックスして過ごす事ができます。
気分が優れないときや足腰が悪いときは、このグリーン車を有効活用してみるのもいいでしょう。
もし、東京にある有名病院で診察や治療をしてほしいと考えた場合、アクセスが良好に越した事はありません。
乗り換えが多かったり、乗車時間が長いと、それだけで疲れてしまうと思います。
しかし、都心までのアクセスが良好なエリアに移住すれば、そうした悩みを解消できます。
次に、実際に定年後に移住した方の感想について、見ていきましょう。
このように、鎌倉市に移住するメリットとして、都心へのアクセスの良さがあります。
鎌倉市に住むデメリット
先ほど、鎌倉市に住むメリットについてお伝えしましたが、それでは、デメリットはどうなっているのでしょうか?
具体的には、
- 災害のリスクが高い
- 生活費が高い
- 道路や街中が混んでいる事が多い
の3つが挙げられます。
以下に、それらについて、解説していきます。
災害のリスクが高い
鎌倉市は、災害のリスクが高い自治体であると言えるでしょう。
首都圏にある駅別に、津波が発生した場合の高さを想定したランキングでは、1位に長谷駅、2位に鎌倉駅、4位に由比ヶ浜駅というように、鎌倉市に設置されている駅が上位に位置している事が分かります。(参考:首都圏「大地震で大津波が来る駅」ランキング神奈川県の駅がズラリ、東京と千葉は?)
また、土砂災害特別警戒区域に指定されている地域が多い事からも、災害リスクの高さが伺えます。(参考:土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域 告示図書)
その為、住居を選ぶ際は、ハザードマップを確認した上で、災害リスクの低い地域を選ぶようにしましょう。
こうした理由から、現在鎌倉市としても、災害対策には力を入れているようです。
具体的には、自主防災組織を編成して「自分たちの地域は自分たちで守る」という事を念頭に、災害発生時の被害を最小限にとどめる活動を行っています。(参考:自主防災組織づくりと補助金制度)
この活動では、防災訓練や防災知識の普及、安全点検を実施しているようです。
防災に関する知識や訓練が行えるようになっているので、積極的に参加して災害リスクを減らしていきましょう。
このように、鎌倉市は災害へのリスクが高いと言える状況になっています。
生活費が高い
鎌倉市では、生活費が高くなりやすいといった特徴があります。
鎌倉市に住むメリットについて、空き家だと住居を安く購入できるという話をしました。
逆に、マンションやアパートを借りて住むとなると、駅から離れている立地であっても、家賃は高くなる事が多いようです。
特に駅近の物件となると、東京都心と同程度と感じるくらい高額になってきます。
また、物価も高い傾向があります。
市内にあるスーパーは、東急ストアや紀ノ国屋といった富裕層向けの高級スーパーの方が割合として、多いように感じます。
高級スーパーが多いのは、観光地である事や別荘を保有している富裕層をターゲットにしているからだと思われます。
そうしたスーパーで生鮮食品を買うとなると、通常よりも出費が増えがちです。
反対に、個人店やSEIYUなどを利用すれば、そこまで出費は掛かりません。
しかし、そうしたお店もそれほど多くはありませんし、品揃えが悪いといった不満もあるようです。
その為、人によっては市内のスーパーだと不便に感じる事が多いので、藤沢市や逗子市など近隣の自治体へ買い物に行くという事も珍しくありません。
そうなると、遠くのスーパーまで行く事になるので、その分時間は掛かりますし、市内は観光客でいつも混み合っているので、移動するだけでも大変になります。
自宅の近くに高級スーパーしかないようだと、遠くのスーパーまで買い出しに行かなくてはいけなくなるので、その事が不便に感じてしまうかもしれません。
このように鎌倉市に移住すると、生活コストが高くなりがちですので、その点は気を付けるようにしましょう。
道路や街中が混んでいる事が多い
鎌倉市に住むデメリットとして、道路や街中が混んでいる事が多いという事が挙げられます。
鎌倉市は、年間通して人気の観光地である為、平日であってもいつも観光客でごった返している印象が強いです。
小町通り周辺や有名な寺社仏閣周辺は、いつもにぎやかな状態です。
由比ヶ浜などの海岸辺りは、夏のシーズンになると、特に騒がしい感じです。
老後は、静かな環境で暮らしたいと考えている方には、憂鬱に感じる事が多いかもしれません。
そういった環境が苦手な方は、観光地から離れた地域に居住する事をオススメします。
岡本や玉縄付近だと、観光客も少ないようですので、そうした地域を中心に検討してみてください。
次に、実際に定年後に移住した方の感想について、見ていきましょう。
このように鎌倉市では、常に道路や街中が混んでいる事が多いといったデメリットが存在しています。
まとめ
鎌倉市に住むメリット
- 高齢者雇用を促進している
- 空き家であれば安く住居を購入できる
- 都心へのアクセスがいい
鎌倉市に住むデメリット
- 災害のリスクが高い
- 生活費が高い
- 道路や街中が混んでいる事が多い
いかがでしょうか?
確かに、鎌倉市に移住すると、災害リスクが高かったり、生活コストが高くなるので、その点が心配に感じてしまうのは、仕方がない事でしょう。
そういったデメリットはあるものの、鎌倉市では災害対策を地域と連携しながら進めていく事で、災害リスクを減らす取組を実施しています。
また、市内に高級スーパーは多いですが、SEIYUなどの庶民向けのスーパーも点在しています。
その為、物価にこだわるのなら、移住する際にそうしたスーパーの近くの物件を候補に入れた方がいいでしょう。
鎌倉市には、老後でも安心して働ける環境が整っている事や空き家を選ぶ事で安く住宅を購入できるといったメリットがあります。
今後は、鎌倉市のような都市部から離れた郊外であっても、その価値が改めて認識される時代に来ているような印象があります。
鎌倉市のように、歴史と自然を同時に感じられるエリアというのは、津々浦々探してもそう多くはありません。
そうしたエリアに興味のある方は、ぜひ鎌倉市に移住してみてはどうでしょうか?