こんにちは。ちはるです。 私は長年介護施設や訪問介護など仕事を通して、様々な家族を見てきました。 在宅で姑を介護する嫁。高齢の母親の介護をする独身の息子。認知症の旦那を一人で介護する妻。 家庭には、それぞれ事情があります。 しかし、在宅で介護をしている人たちを見ると、皆悩みを抱えており、日々の生活に疲れ切っています。 「介護する側と介護される側の本当の幸せとは?」と考えた時にお互いの心身が健康で、より充実した生活ができる必要があります。 もちろん自宅で最期を迎えることが本人にとって理想です。 でも介護する側と介護される側お互いの幸せを掴むために、介護施設に入所することも選択肢の一つです。 施設を利用したいと思ってもすぐには入所できない現状があります。 そのために事前の準備(情報収集)が大切です。 まずは住んでいる近くの施設の詳しい情報を調べてみましょう! \ ま ず は 気 軽 に 資 料 請 求 し て み ま し ょ う ! /
介護施設の入居条件の多くに要介護認定を受けていること、という条件が多いことはご存知の方も多いかと思います。
特養であれば要介護3以上、老健は要介護1以上など公的施設では多くが要介護認定が入居条件として設定されています。
私の知人も親が遠く離れて住んでいるため、介護施設に入居させたいと思っても、要介護認定を受けるほど親の体調が悪くないため入居できない人がいました。
最終的には民間施設の有料老人ホームに入居させたそうですが、それまでは苦労したそうです。
高齢の親を1人残した方にとって、年老いていく親の存在は心配なものです。
心配を少しでも減らすためには施設入居するのが最も安心ですが、要介護認定なしでも入居できる施設にはどういうものがあるのか気になりますよね?
実際にどういった介護施設なら要介護認定なしでも入居できるのか、紹介していきます。
目次
施設の区別
介護施設には大きく分けて2種類あり、公的施設と民間施設があります。
公的施設にはどのようなものがあるかというと
- 介護老人保健施設(老健)
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 養護老人ホーム
- 自立型ケアハウス
民間施設にはどういうものがあるかというと
- 有料老人ホーム(介護付き・住宅型・健康型)
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
このように分かれています。
この中で公的施設に分類される介護老人保健施設は要介護1以上、特別養護老人ホームは要介護3以上が入居基準になっています。
要介護認定が必要な介護施設
要介護認定が必要な施設として知られているのが、老健と特養です。
この2施設は中~長期の入居が可能で、費用も安いためどの施設でも入居待ちが多い状態です。
介護老人保健施設(老健)
老健は病気等で入院していた方が、退院後に自宅生活へ戻るためのリハビリを行うための施設です。
入居基準は要介護1以上の高齢者で、入居期間は3~6か月と決められています。
ショートステイやデイケアと併設したものが多いため、短期入所や日中のみのリハビリにも対応している公的施設です。
また医師や看護師、リハビリ専門職などの医療専門職の常駐が義務化されているため、医療的なケアにも対応してくれます。
特別養護老人ホーム(特養)
特養は要介護3以上の、寝たきりの方や日常生活が介助なしで送れない程の高度な要介護状態の方を対象とした終身入居施設です。
身体の介護は常駐する介護専門職の職員が行い、看取りまで行ってくれます。
公的施設であるため、費用も年金から支払うことが可能な範囲で収まることが多いです。
特養はどの施設でも入居待ちが多く、急を要する状態でない限りは半年~1年以上待つこともあります。
公的施設で要介護認定がいらないもの
公的施設について見ていきます。
公的施設では一部を除いて要介護認定を受けている必要があり、例外的に養護老人ホームと自立型のケアハウスは要介護認定が不要です。
養護老人ホーム
養護老人ホームは経済的な理由で在宅での介護サービスを受けられない方向けに、施設入居ができる老人ホームです。
介護施設とは違い、要介護認定を受けると退去することになります。
そして養護老人ホームの最大の特徴は、自分の意思で入居を決定できないことです。
入居するには自治体の窓口で申請し、入居の認定をもらわなければならず、この認定審査が自治体によってまちまちなのであまりあてにはならないというのが現実です。
自立型ケアハウス
自立型ケアハウスは軽費老人ホームと呼ばれるものの1つで、60歳以上で、一人暮らしが困難な方または家族から支援を受けられない方が入居条件です。
介護施設とは異なるため、生活支援、生活相談、安否確認、緊急対応などを行いますが、介護が必要な場合は別途業者を依頼する必要があります。
介護度が高くなると退去しなければならないこともあるため、あくまで自立した人が対象になります。
家族が遠くに住んでいて様子を見にいくのが大変な場合には、費用も比較的安いので自立型ケアハウスはおすすめです。
民間施設で要介護認定がいらないもの
民間施設について見ていきます。
要介護認定なしで入居するのなら民間施設を選ぶのがおすすめです。
民間施設にも色々な種類があるので、それぞれの特徴を知って入居施設を探すほうが良いでしょう。
有料老人ホーム
有料老人ホームには介護付き・住宅型・健康型の3種類があります。
それぞれ目的や提供されるサービス、入居できる対象者などに差異があるのです。
介護付き型では身体的な介護である排泄、入浴の介助はもちろん、食事、洗濯等の日常生活支援、リハビリ、レクリエーションなど様々なサービスを受けられます。
都道府県から介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」として指定を受けている施設のことです。
住宅型では介護サービスは行っておらず、要介護認定を受けた場合は訪問介護などの在宅サービスを外部と契約して行う形です。
公的施設の自立型ケアハウスと似た形態ですが、要介護認定を受けても入居続けられる点と、訪問看護事業所などが併設されている施設が多い点が特徴になります。
健康型は生活サポートをしながら生活を送る入居型施設で、自立した高齢者を対象にしています。
施設内ではレクリエーション施設が用意されており、健康的な生活が送れるよう配慮されていますが、要介護認定を受けると退去しなければならない点には注意が必要です。
サービス付き高齢者住宅
サービス付き高齢者住宅は介護認定なし~軽い要介護度までの高齢者が入居できる賃貸型の住宅です。
本来は介護サービスを行わないですが、サービス拡充に伴って介護サービスを提供している施設も多くなっています。
住宅では夫婦でも過ごせるようになっており、リビングは25㎡以上で住宅全体がバリアフリー設計なので、足腰が弱ってきた方でも安全に過ごせるように配慮されています。
サービス付き高齢者住宅も有料老人ホームと同様、介護サービスを受けたい場合には訪問介護事業所やデイサービスと別に契約が必要です。
サービス付き高齢者住宅は一般型と介護型に分かれており、一般型は説明したとおり自立した方向けで、介護型は施設職員が介護サービスを行ってくれるタイプになります。
ただし費用面ではかなりの違いがあり、一般型は初期費用が数十万円なのに対し、介護型は数百万円かかるため、介護型は金銭的な余裕のある方向けです。
グループホーム
グループホームは認知症等で独りでの暮らしが大変な高齢者が、施設内に部屋を借りて集団生活を送る介護施設です。
ある程度自立している方が多いため、入居者は料理、掃除などを施設職員と共に行いながら共同生活していくことになります。
要支援の方でも入居可能なので、多くの市町村で施設と利用者が増加傾向にあります。
行われる介護サービスは施設によって特色があり、介護度が高くなると退去せざるを得ない施設もあれば、看取りまで行う施設もあり、その形態は様々です。
各施設の入居条件とメリット・デメリットは?
要介護認定なしでも入れる施設でも、入居にあたって条件がいくつかあります。
各施設ごとに入居条件とメリット・デメリットを確認していきます。
- 養護老人ホーム
- 自立型ケアハウス
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者住宅
- グループホーム
養護老人ホーム
養護老人ホームは市区町村から入居許可を得なければ入居できないため、条件は行政機関によって異なります。
公益社団法人の全国老人福祉施設協議会によると、養護老人ホームに入る条件は以下のようなものがあるとされています。
- 家族と離れて暮らす高齢者
- 経済的に生活が困難な方
- 家族から虐待を受けている高齢者
- ホームレス
- 犯罪歴があり他の施設への入居を断られた方
- 他の法律に基づく施設に入居できない高齢者
このような条件に該当すると、養護老人ホームに入居できるようです。
主に経済的な理由と家族などの世話をしてくれる人がいないことが条件になっています。
養護老人ホームのメリット
そして養護老人ホームのメリットは次の通りです。
- 経済的に生活困難な方でも入居できる
まずメリットとして、経済的に困窮している人が優先して入れるため、費用は減額または免除されることもあります。
年収ベース、年金の受取や生活保護を受けているなどの、状況次第で入居費用が決定される点です。
養護老人ホームのデメリット
次にデメリットです。
- 自分で希望しても入居できない
デメリットは経済的に厳しいという判断が自治体によるので、自分で希望したとしても入居できないという点です。
必ず入居できるわけではないですが、経済的に苦しいと思った時は市区町村の窓口でまず申請してみることが大事になります。
自立型ケアハウス
自立型ケアハウスは自立した生活に不安があり、かつ家族が遠方などで援助を受けられない場合に、60歳以上の方が利用できる入居施設です。
入居条件は今述べたとおりです。
- 要介護認定を受けていないある程度自立した方
- 家族からの援助が難しい状態にある
- 60歳以上、夫婦の場合はどちらか一方が60歳以上
行っているのは主に見守りや緊急時の対応なので、基本的に自立して生活を送ることになります。
自立型ケアハウスのメリット
自立型ケアハウスのメリットは次の通りです。
- 自立した方でも家族の支援が受けられないなら入居できるメリットがある
- 要支援の指定なしでも入居できる
60歳以上の独居高齢者であれば自立型ケアハウスの入居条件を満たすため、比較的入居しやすい施設と言えます。
費用面でも公的施設であるため比較的安い費用で済む点も良いでしょう。
自立型ケアハウスのデメリット
自立型ケアハウスのデメリットは次の点です。
- 要介護認定を受けると施設から退去を迫られる
自立型ケアハウスでは要介護認定を受けると入居継続が困難で、退去を迫られる可能性も高いです。
事前に入退去の条件をよく確認してから施設を決定することをおすすめします。
有料老人ホーム
有料老人ホームの介護付き・住宅型・健康型にはそれぞれ異なった入居条件があります。
それぞれの入居条件は次のようになっています。
- 介護付き型・・・原則65歳以上で自立~要介護の方(ただし介護専用型では要介護認定が必要)
- 住宅型 ・・・原則65歳以上で自立~軽度要介護の方
- 健康型 ・・・原則65歳以上で自立した生活を送れる方
有料老人ホームは65歳以上の高齢者を対象にしており、自立した方でも入居が可能です。
どのタイプであっても認知症があっても自立していて、要介護認定を受けていなければ入居できます。
また終身での利用も可能なので、看取りを行う施設もあるため、看取りまで考えている場合にはそのような施設を選びましょう。
有料老人ホームのメリット
有料老人ホームのメリットは次のようなものです。
- 自立した方でも利用できるうえ、要介護度が高くなっても併設された在宅介護サービスを利用して生活を送れる施設が多いメリットがある
- 介護が必要なレベルに応じて施設を選びやすい
有料老人ホームは自立度の高い方~要介護度がある程度の段階になる方までは、在宅サービスを利用しながら入居を継続できます。
有料老人ホームのデメリット
次にデメリットはこちらです。
- 重度の要介護では入居継続が困難
- 介護サービスも利用すると費用が高くなりやすい
一方で、あくまでもある程度の自立度は必要となるため、要介護度が高くなり、寝たきり状態になると退去せざるを得ないこともあります。
入居前に有料老人ホームがどの段階で入居でき、退去の基準はどの程度なのか知っておくことが大事です。
サービス付き高齢者住宅
サービス付き高齢者住宅は生活相談を行う職員が入居者の体調確認やリハビリなどを行いつつ、入居者に賃貸住宅で生活してもらう施設です。
入居条件は比較的満たしやすく、必要に応じて在宅介護サービスを利用して入居を継続できるため、利用しやすい介護施設の一つです。
- 60歳以上の高齢者、夫婦の一方が60歳以上でも可
- 60歳未満で要介護認定を受けた方
このような条件になっており、60歳以上なら要介護認定も不要なので、家族から離れて一人で暮らしている高齢者にとっても利用しやすい条件になっています。
夜間は緊急対応だけですが、日中は職員が常駐しているため家族の様子が心配な方でも安心です。
国からの後押しもされているため、近年サービス付き高齢者住宅を展開する事業者が増えているため、選択肢も様々なのでご希望の住宅がないか探してみるとよいでしょう。
サービス付き高齢者住宅のメリット
サービス付き高齢者住宅のメリットは次のものです。
- バリアフリーの住宅で生活ができ、自由な生活を送れる
- 有料老人ホームに比べると初期費用が安い
- 高齢者なら基本的に誰でも入居できる
サービス付き高齢者住宅は高齢者の生活を支える施設なので、自立した高齢者であっても入居できるのが特徴的です。
また老人ホームよりも費用面での負担が少ないうえ、職員はあくまで生活相談が主な関わりになるため、入居者の生活自由度が高い施設になります。
サービス付き高齢者住宅のデメリット
一方で、デメリットはこちらです。
- 通常の賃貸住宅よりも料金が高め
- 看護師などの医療専門職の配置義務がないため、体調変化に対応しにくい
- 寝たきりなど重度の要介護になると入居継続が難しい
生活相談などのサービスがある分、通常の住宅よりも費用は高くなります。
また医療の専門職を常駐させる義務がないため、施設によってはサービスの質に差が出やすいです。
そして専門職がいないため、寝たきりなど介護必要度が高くなると入居の継続が難しくなります。
事前にどういったサービスを展開しているか確認してから、入居手続きに入ることをおすすめします。
グループホーム
グループホームは施設所在地に住民票を持つ方を受け入れている、自立度の高い認知症高齢者向けの入居施設です。
5~9人程度の集団で1つの施設内で共同生活を送り、料理や掃除など施設職員のサポートも受けながら生きがいを持って生活することを目的とした施設です。
グループホームに入居するための条件は次のようなものがあります。
- 65歳以上で要支援2または要介護1以上の認定を受けている
- 認知症の方
- 集団生活でも問題のない方
- 施設の所在する市区町村に住民票を持つ方
こうした条件があります。
受け入れている利用者層は主に認知症はあるが、生活は自立している方です。
要介護度が高くならない限りは、終身で利用することもできるのがグループホームです。
グループホームのメリット
グループホームのメリットはこちらになります。
- 日中~夜間まで職員が常駐するため、緊急事態でも対応してもらえる
- 介護資格を持つ職員も在籍するので、認知症でも安心して過ごせる
- 役割を持って集団生活を送れるため、認知症の進行を緩やかにする効果がある
- 比較的費用が安い
グループホームは日中・夜間とも職員が必ず常駐しており、体調変化にも対応しやすく、知識を持つ職員がいるため家族にとっては安心して預けられるメリットがあります。
また集団生活を送り、グループホーム内でも役割を与えられるため、認知症の進行が緩やかになることが期待できます。
費用的にも入居型の施設の中では安いため、利用しやすい介護施設です。
グループホームのデメリット
次にデメリットです。
- 施設所在地の市区町村に住民票がない人は入居できない
- 看護師の配置義務がないため、医療専門職は常駐しない
- 定員が最大でも9人と規模が小さいため、入居待ちになることがある
- 一度入居すると入居者同士で相性が悪くても調整が難しい
グループホームは所在地域の住民が住み慣れた地域で生活を続けるための施設なので、住民票のない方は入居できません。
医療職の配置義務がないため、緊急事態への対応は遅れることもあるので注意です。
また入居待ちが生じやすく、入居しても相性の悪い入居者がいてもすぐに調整が難しいという独特なデメリットもあります。
しかしデメリットはメリットに比較して大きいものではないので、利用しやすい施設と言えるでしょう。
まとめ
要介護認定なしでも入居できる施設と条件について解説しました。
要介護認定なしで入居可能な施設は介護度が高くなるほど、入居が難しくなるという特性があります。
介護度が上昇する可能性がある場合は、早めに介護認定の申請と将来的な特別養護老人ホームなどへの入所も見越した行動を取る必要があるでしょう。
一方で自立した高齢者でも入居し、自由な生活を送れる施設もあるので、ご家族の状態を把握した上で適切な施設選びをすることが大事です。
要介護認定なしでも入居できる施設と介護度が上がってから利用できる施設をうまく使い分けて、ストレスの少ない介護を目指しましょう!