こんにちは。ちはるです。
私は長年介護施設や訪問介護など仕事を通して、様々な家族を見てきました。
在宅で姑を介護する嫁。高齢の母親の介護をする独身の息子。認知症の旦那を一人で介護する妻。
家庭には、それぞれ事情があります。
しかし、在宅で介護をしている人たちを見ると、皆悩みを抱えており、日々の生活に疲れ切っています。
「介護する側と介護される側の本当の幸せとは?」と考えた時にお互いの心身が健康で、より充実した生活ができる必要があります。
介護する側と介護される側お互いの幸せを掴むために、介護施設に入所するのが一番の方法です。
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私の知人が、毒親の家庭に生まれ育ち、小さい頃から親に対して色々な事で我慢や不満を持って、生活していたそうです。
介護が必要になっても、そんな毒親の介護なんて、絶対にしないと決めていました。
しかし、いつの間にか、そんな毒親を介護する事に満足感を覚えるようになっていたそうです。
毒親とずっと一緒に暮らしていると、その関係にお互い依存するようになります。
そうなると、毒親に必要とされる事で、自分の存在価値を見出せるといった心理状態に陥ってしまうでしょう。
本人には、そういった自覚はなく、潜在意識に知らず知らずのうちに、刷り込まれてしまうようです。
毒親の介護なんてしたくないと思っていても、気付いたらそれに承認欲求を感じてしまうという、何とも矛盾が生じた状態になるかもしれません。
今回は、そんな毒親を介護しなくても済む対策について、ご紹介します。
こんな人に読んで欲しい
- 現在、毒親の介護をしている人
- 今後、毒親の介護をするかもしれない人
目次
毒親の介護の実態とは?
まず、毒親の実態について、お話していきたいと思います。
具体的には、
- 毒親の定義
- 毒親の対処法
の2つに絞って、説明していきましょう。
毒親の定義
毒親とは、具体的にどういった親を指すのか、皆さんご存知ですか?
ざっくり説明すると、親という立場を利用して、子供を身体的・精神的に傷つけたりする親の事を指します。
毒親と一言で言っても、色々なタイプがいるようです。
以下に、具体例を2つ出して、説明していきます。
1つ目が、「あなたの為に言っているのよ」といった具合に、子供を何でも自分の思い通りに動かそうとする親です。
このように、善意を振りかざして、他人を自分の意のままに操ろうとする人間を「カバートアグレッション」と言います。
こういった親の特徴は、一見、人当たりは良さそうなのですが、発言に矛盾があったり、まるで悲劇のヒロインのように、被害者の態度を装う事が多いようです。
2つ目が、しつけと称して暴力や暴言を振るってくるなど、虐待に近い言動を持った親になります。
このような親は、アルコール依存症やギャンブル依存症、もしくは自分も幼少期に虐待された経験があるなどの精神疾患を抱えているタイプとアスペルガーなどの発達障害を持っているタイプに多いようです。
毒親の対処法
先ほど、具体例を挙げてご紹介しましたが、どういったタイプにしても共通して言える対処法は、あまり関わらないようにし、距離を置く事が重要です。
こういった親は、他人がいくら忠告しても、全く耳を貸そうとしません。
下手に忠告すると、さらに行為がエスカレートする可能性もあるでしょう。
私の知人が、東京で英語専門の塾を経営しており、その知人からカバートアグレッションと思われるご両親の話を聞いたので、それについてご紹介します。
父親は、東京大学の医学部を卒業、母親は慶応義塾大学の医学部を卒業しておられ、二人とも都内の有名病院に医師として勤めているようです。
二人の間には、息子が一人いて、小学校から都内でも有名な国立大学附属の学校に通っておられました。
第一志望の大学は、ご両親の強い意向で幼少期から東京大学と決めています。
ご両親としては、大学卒業後には自分たちと同様に、医師の道を目指してほしいと考えているようです。
その息子が、高校生のときの英語の受験勉強の指導をしていたのが、私の知人でした。
ここまで聞くと、まさに絵に描いたようなサラブレッド一家で、さぞ順風満帆な人生を送っているのでは?と感じる人も多いでしょう。
しかし、ご両親は極度にエリート思考が強く、息子には小さい頃からスパルタ式に勉強するよう、指導していました。
息子は、そういったプレッシャーに耐えられなくなり、知人の塾での指導が終わっても、家には帰らないといった事が頻繁にあったようです。
彼は、家に帰る道中に全然知らない人の家のガレージを見つけては、そこで横になって一晩を過ごしていました。
息子からすると、家に帰っても両親にプレッシャーを掛けられ、勉強漬けになる日々に嫌気が刺したのでしょう。
私の知人が、ご両親にそういった教育方法はいかがなものかと、何度か苦言を呈したそうです。
しかし、ご両親はプライドが高い為、知人の話に全く耳を貸そうとしません。
知人曰く、そのご両親は「精神的に病んでいる」と言っていました。
このようなタイプは、自分が絶対に正しいと思い込んでいる為、他人が間違いを指摘したとしても改善する余地はありません。
こういったご両親と関わっていると、その息子さんも同様に病んでしまうのでは?といった印象を強く受けます。
実際に息子さんは、スーパーやコンビニで万引きをして補導されるといった事が度々、あったようです。
実家は経済的に裕福なので、お金に困って、万引きをしたわけではありません。
本人も気付かない無意識のうちに、まるで夢遊病者のように、そういった事をしてしまうようです。
このような状態になってしまうと、そこからまともな精神状態まで回復するのは、かなり難しくなってきます。
こういった状態にならない為にも、自分が病んでしまう前に早めに距離を置いてみるのが、効果的ではないでしょうか?
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毒親の介護をしなくてもいい理由
毒親についての理解が深まったら、次はそんな毒親を介護しなくてもいい理由について、見ていきましょう。
具体的には、
- お互いに依存してしまうから
- 法律的に問題ないから
の2つが、主な理由になります。
以下に、それらについて、解説していきましょう。
お互いに依存してしまうから
毒親との生活が続いてしまうと、知らず知らずのうちに共依存の状態に陥ってしまうかもしれません。
共依存とは、自分と相手の関係が必要以上に依存している状態を指します。
この状態になってしまうと、嫌いだと感じている相手でも依存される事で、自己肯定感や自分の存在価値を見出せるようになってしまうようです。
お互い無意識のうちに共依存になってしまう可能性もある為、一度この状態に陥ると、中々抜け出せなくなるといった特徴があります。
これは、自分の身近な間柄で発生しやすく、親や配偶者などに多い傾向が見られるようです。
共依存の状態だと、毒親の事が嫌いで介護をしたくないと思っているにも関わらず、親を介護する事によって、自分が必要とされているという承認欲求が満たされる状態になってしまいます。
こうなってしまうと、親に認められる事に喜びを感じるようになり、理不尽な要求をされても、相手の為に力を尽くそうとしてしまうようです。
親も自分の要求を素直に聞いてくれる事に満足感を覚えるようになると、その要求はさらにエスカレートする可能性もあるでしょう。
私が以前、介護施設で働いていたときに、依存心がとても強かった利用者のお話をします。
その方は元々、車いすの自走ができる方でした。
しかし、「今日は、具合が悪くてできない」と職員に車いすを押してくれるようお願いする事が、度々発生しています。
最初は私も、具合が悪いなら仕方ないかなと思い、車いすを押してあげるのを手伝っていました。
他の仕事で忙しい状況でしたが、利用者のお役に立てたので、私としては嬉しい限りでした。
しかし、日が断つにつれ、その利用者の要求は、どんどんエスカレートしていきます。
最初は、車いすを押してあげるだけだったのが、次第には着替えや歯磨きも自分一人じゃできないと職員への依存が強くなってきました。
そうなってしまうと、その利用者の介助に掛かる時間が増えていってしまい、他の利用者の介助に十分に時間を充てる事が難しくなってきます。
それでも私は、その利用者から自分が必要とされている事に、喜びを感じていました。
しかし、ある日、上司に指摘されて初めて、自分が共依存の状態に陥っているという事に気が付いたのです。
こうした事態になってしまった理由としては、私が利用者の要求通りに、何でもお世話をしてしまった事が原因だと考えられます。
要求が通る事で、自分で努力しようとする気持ちがなくなり、甘え癖がついてしまったのでしょう。
このように、共依存の状態に陥ってしまうと、お互いにその状態が当たり前のように感じてしまうようです。
そうなると、自分の事を犠牲にしてまで、相手に喜んでもらう為に必死になってしまう可能性が出てくるでしょう。
法律的に問題ないから
親が子供に介護をするように頼んでいるのなら、介護をしないと法的なトラブルに巻き込まれると考えている方もいるでしょう。
しかし、自分の年収や資産が少ない場合だと、親の介護をしなかったからといって、それは違法にはなりません。
民法には、生活扶助義務というものがあります。
これは、扶養する側に年収や資産に応じた介護を要介護者に提供しなければいけないという法律です。
つまり、自分に金銭的な余裕があるのなら、親の介護をする必要があります。
しかし、そういった余裕がないのなら、介護をしなくても問題はないという事です。
親の面倒を見なければいけないという変な義務感に苛まれてしまうと、介護に対するストレスから親に虐待をしてしまい、それにより刑事責任を問われてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
近年、介護ストレスに悩まされ、要介護者へのネグレクトや暴言・暴行が大きな問題となっています。
介護をするというのは、適切な介護をしなければいけないという責任も同時に負うという事です。
親へのストレスが溜まってしまい虐待をしてしまうと、最悪、警察に捕まる事になり、あなたの将来に大きな影響を与える可能性があります。
そのようなリスクを負わない為にも、介護をしないという選択肢を取る事も非常に意義があると言えるでしょう。
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毒親の介護から逃げる為の対策3選!
それでは、そういった毒親から逃げる為には、どうすればいいのでしょうか?
具体的には、
- 介護施設に預ける
- こっそり引っ越しをする
- 裁判をする
の3点が、重要だと思います。
以下に、それらについて、解説していきます。
介護施設に預ける
介護施設に預ければ、毒親の介護をしなくても済むので、オススメです。
毒親のお世話は、介護施設の職員がすべて行ってくれるので、毒親を介護しなくてはいけないという苦悩から解放されるでしょう。
施設によっては、利用者の容体を報告する為に年に数回、施設に来所しなければいけないケースもあるかもしれません。
そのときに、毒親と顔を合わせる事になるでしょう。
また、親が病気やケガをしてしまったり、不穏な態度が続いている場合、ご家族に連絡が来る可能性もあるので、その点も注意してください。
私が勤務していた施設で、親との不仲が原因で施設にその親を預けてきたご家族の話をします。
その親は、自宅で家族に面倒を見てほしいと考えているようで、職員へ「家に帰らせて」といった不満をよく述べていました。
私たちはその度に、「今、ご家族は体調を崩していて、お家で面倒を見られないんですよ」といった適当な嘘をついて、その場を収めるようにしています。
しかし、それでも、親の不満は止まる事がなく、娘さんに施設に来所して頂き、説得してもらうという事例がありました。
このように、介護施設に預けてしまえば親の介護をしなくても済みますが、それ以降、一生顔を合わせなくても済まないとは限りません。
その点は、施設に預ける前に施設側に、よく確認しておきましょう。
こっそり引っ越しをする
もしあなたが、毒親と一緒に暮らしているのなら、親に内緒でこっそり引っ越しをしてしまいましょう。
毒親と別居している場合だと、引っ越しをする際に相手に新しい住所を教えないで、引っ越しをしてください。
毒親が引っ越し先を知らなければ、毒親が、もうあなたに介護をするように文句を言ってきたりしないはずです。
私の知人の話ですが、彼は小さい頃から親に虐待され続けてきたようで、それに嫌気がさし、親が寝ている深夜に自分の荷物一式まとめて、家を飛び出しました。
彼は、一軒家のレストランを経営している方の家に、住み込みで料理人として働く事にし、もう二度と親の元には戻らないと固く決心したそうです。
それ以降、彼は毎日朝の9時から夜中の11時まで死ぬ気で働きました。
お給料は、手取りで13万円ほどでしたが、住み込みで働かせてもらっている分、オーナーから家賃や水道光熱費は請求されなかったようです。
それから5年ほどが経ち、料理の技術も向上し、お金も貯まったので、そのレストランを退職し、自分のお店を立ち上げました。
それから、順調に売上を伸ばしていき、今ではレストランを3軒経営しているほど、仕事は安定しているようです。
昔は、親に虐待された影響で、表情はいつも暗く、突然キレ出すなど情緒不安定な様子でした。
それが今では、いつも明るく、口数も多いといった性格に180度変わっています。
小さい頃は、何をしても親にずっと否定ばかりされてきた影響で、自尊心はかなり低い状態でした。
それが、毒親の呪縛から解放され、自立して生活できる術を手に入れた事で、自分に自信がついたようです。
このように、引っ越しをする事で、毒親との連絡手段を完全に断つ事ができます。
そうすれば、親の介護に悩まされずに、自分の生きたい人生を歩めるでしょう。
裁判をする
親が介護をするように強く要求してきた場合、裁判で白黒付ける事も視野に入れましょう。
家庭裁判所の調停委員が、お互いの言い分を聞いた上で、扶養の方法や金銭的な支払いの要否についての判断を下してくれます。
裁判であなたに扶養義務がないと確実に認める為には、あなたが親を介護できる状態にはない事を証明できなければいけません。
その為には、親からの虐待や仕事のストレスでうつ病などの精神疾患になり、扶養できない状態である事を調停委員に伝えておきましょう。
そうすれば、扶養義務なしと見なされ、あなたの主張が通る可能性は高くなります。
実際に精神疾患になっていなくても、精神科に行って、うつ病に関係した症状をいくつか伝えるだけで、医師からうつ病の診断書をもらう事も可能です。
具体的には、身体がだるい、夜眠れない、集中力が続かないといった事を伝えてみてください。
そうすれば、うつ病と診断される可能性が高くなるでしょう。
このように、毒親が介護についてうるさいならば、最終的に裁判で決着をつけるようにしてください。
そうすれば、法律的な観点から扶養義務がないと認められるので、それ以上、親が文句を言ってくる事もなくなるでしょう。
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まとめ
毒親の介護から逃げる為の対策3選!
- 介護施設に預ける
- こっそり引っ越しをする
- 裁判をする
いかがでしょうか?
毒親といつまでも一緒に暮らしていると、それはいつしか、あなたの精神までも蝕んでくるでしょう。
重要になってくるのは、介護施設に預けたり、親に引っ越し先を伝えないで、引っ越しをする事になってきます。
毒親の為に生きるのではなく、自分自身の人生を生きる為には、今回ご紹介した内容をしっかり検討してみると、明るい未来がきっと待っているはずです。