みなさんは中に仕事や介護が忙しく、家事まで手が回らず困っているのではないでしょうか?
そんな方向けの家事代行サービスというものをお考えの方もいるかと思います。
介護は家事と仕事をしながらではかなり大きな負担になります。
私の知る家庭でも、日中は仕事、夜は介護をして日々過ごしていた人が、介護疲れから体調を崩すということは珍しくありませんでした。
もちろん訪問介護や訪問看護なども利用しますが、介護保険制度で対象になるサービスだけでは介護負担を大きく減らすことには繋がりにくいという現実があります。
そこで介護負担に苦しむ人に知ってもらいたいのが、介護保険外で利用できる「家事代行サービス」です。
家事代行サービスといえば、家政婦のように派遣されて家事を行うイメージを持たれる方も多いです。
しかし実は通常の家事代行だけでなく、高齢者向けの家事代行サービスというものもあるのです。
具体的には外出の付き添いや安否確認、話し相手など色々な役割を果たしてくれます。
こうした家事代行サービスは介護保険の適用外ですが、介護保険による在宅サービスと併用することで足りない部分を補完してくれるものです。
家事代行サービスではどういうサービスを行っているのか、またどういった業者を選べばよいのかを紹介していきます。
目次
介護保険におけるサービス
介護保険でも受けられるサービス
家事代行サービスは介護保険制度の適用外であるため、要介護認定を受けて、現に介護保険サービスを受けている高齢者であっても、利用することができます。
介護保険における在宅サービスで代表的なものは次のようなものです。
- 訪問介護
- 訪問入浴
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
在宅で受けられるサービスには上記のようなものがあり、具体的な内容についても見てみます。
訪問介護
いわゆるホームヘルパーであり、要介護者の自宅を訪問し、買い物や掃除、食事介助、体位変換、排泄介助などを行います。
利用時間は介護度にもよりますが、30分~1時間までで介護保険適用外の行為については行ってくれません。
費用面では介護保険制度で補助されるため、家事代行サービスよりは安くなりやすいです。
訪問入浴
介護士と看護師が要介護者の自宅を訪問し、移動式浴槽や特殊な機器を利用して入浴の介助を行います。
入浴は身体的な負荷が大きいため、必ず看護師によるバイタルチェックを入浴前後に行ってくれるので安心して任せられます。
訪問看護
医療的な処置が必要な要介護者の自宅を看護師が訪問し、医師の指示した医療的な処置、呼吸器や胃ろう・尿道留置カテーテルの管理、床ずれの予防と処置を行ってくれます。
看護師によるバイタルチェックが毎回行われ、本人の体調を問診し、異常や変調が起きていないか確認します。
訪問の結果を医師にも見られるようカルテに記録するため、医師から状態に合わせた医療処置も行われるのが特徴です。
訪問リハビリテーション
要介護者の自宅を理学療法士や作業療法士が訪問して、リハビリを行うサービスです。
本人のレベルにもよりますが、筋肉が固まらないように防ぐためのリハビリや歩行練習、トイレ動作、日常動作のリハビリなど、状態維持から日常生活動作の改善を目指すものまで様々な内容があります。
また家族へのリハビリ指導も行ってくれます。
家事代行サービスは介護保険制度における在宅サービスとは根本的に異なる点がいくつかあります。
家事代行サービスと介護保険制度との違い
仕事をしながら介護を行う人の中には、介護保険の在宅サービスを利用している方も多いかと思います。
しかし実際、仕事と介護を両立するのは難しく、専業主婦であったとしても家事と介護の両立は大きな負担です。
私の知人でも家事と介護の両立が大変で、ストレスが大きく、家族で喧嘩の絶えないご家庭がありました。
介護保険の在宅サービスも利用してそのような状況ですから、介護の負担がどれほど大きいかは想像もできません。
そこで仕事や家事をしながらでも介護負担を減らす方法として、家事代行サービスの利用がおすすめなのです。
家事代行サービスには介護保険における在宅サービスとは提供されるサービスが大きく異なる点が多々あります。
家事代行サービスと介護保険における在宅サービスとの違いには、以下の点があります。
- 介護保険制度が適用外
- サービス提供時間
- サービス内容
- サービス対象
介護保険制度は適用外
家事代行サービスは介護保険制が適用されないため、費用面は全額自費になる点がポイントです。
いわゆる公的サービスとは異なり、介護に関するもの以外であれば幅広く支援を受けられるようになっています。
介護保険制度による在宅サービスでは時間があらかじめ決められており、受けられるサービスも介護に関するもの、対象者も要介護認定を受けている本人だけです。
介護保険制度による縛りを受けない分、自由度の高いサービスを受けられるのです。
介護保険とは違い身の回りの世話から食事、掃除などもサービス内容に含められるため、仕事や介護で家事の時間が取りにくい家庭に向いているサービスといえます。
サービス提供時間
介護保険制度との違いの1つとして、サービス提供時間の差があります。
公的サービスの場合、介護度にもよりますが30分~1時間が限度とされています。
ところが、家事代行サービスの場合は1~2時間でも利用可能です。
事業所にもよりますが、20分で1000円といった具合に利用時間によって金額が変わるため、金銭的な負担さえ問題なければ長時間の利用も可能です。
病院の付き添いや外出もしてくれるので、時間を気にすることなく利用できる点で家事代行サービスは優れています。
サービス内容
家事代行サービスではサービスの内容も幅広く提供されています。
- 掃除
- 洗濯
- 話しや趣味の相手
- 高齢者の安否確認
- 外出、病院の付き添い
挙げたのは一部の例ですが、この他にも様々なサービスを提供しています。
介護保険の適用外であるため、医療行為に当たるサービスは提供できませんが、日常生活で必要なサービスはほとんどを行ってくれます。
いずれも介護保険制度における公的サービスでは対象外となっており、身の回りの介助をしてくれるという点でも家事代行サービスを依頼する価値はあるでしょう。
既に介護保険によるヘルパーや訪問看護などの在宅サービスを利用している場合、公的サービスではカバーしきれない範囲を家事代行で行う方法がおすすめです。
家事代行サービスで派遣されるスタッフは地元出身の方や事業所の設けた基準をクリアしたスタッフが多いため、提供されるサービスにも一定の品質が保証されます。
公的サービスだけでは介護との両立に苦慮しているご家庭であれば、ご利用を検討する価値があるはずです。
サービス対象
家事代行サービスでも特に特徴的ともいえるのが、サービス対象の範囲です。
要介護認定では介護を必要とする高齢者本人だけが対象になりますが、家事代行サービスでは高齢者とその家族もサービスの対象になります。
そのため仕事で不在の間の家事はもちろんですが、妊娠・出産で家事ができない状況でも代わりに家事を行ってくれるのです。
つまり一人暮らしであれば、生活全般の見守り及び介助を行い、家族で住んでいる場合は家族に対応が難しい部分を代わりに行ってもらうという利用ができるわけです。
公的サービスの場合は家族は対象外になるため、望むようなサービスを全て受けられるとは限らず困る方もいらっしゃいます。
その場合には家事代行サービスを利用して、家族では出来ない家事を行ってもらう方法がおすすめです。
介護負担を減らすためにも家事代行サービスを効果的に利用しましょう。
家事代行サービスの利用するには
家事代行サービスの事業所
家事代行サービスは介護保険サービスとの併用が可能なので、介護保険サービスでカバーできない範囲を家事代行サービスの利用で補う家庭も多いです。
こうしたサービスを行っているのは公的な機関や民間事業所まで様々なので、一部を紹介します。
- 社会福祉協議会
- シルバー人材センター
- 民間の事業所
社会福祉協議会
社会福祉協議会は各市区町村に必ず1箇所設置される地域の福祉サービスの相談所です。
要介護認定を受けるにあたって、まず相談に訪れる人も多いかと思います。
社会福祉協議会で行っているサービスは家事支援サービスというものです。
調理や洗濯、掃除、買い物、話し相手など身の回りの家事を手伝ってくれます。
利用には年会費を支払っているかどうかなど各社会福祉協議会によって条件があるので、確認してみましょう。
また利用する際は別途時間ごとに費用が掛かることにも注意です。
シルバー人材センター
シルバー人材センターは定年退職した方を中心とした人材派遣を行うサービスです。
こちらは社会福祉協議会とは違い、条件はなく、依頼内容にあった人材がいれば派遣してくれます。
地域住民のボランティア精神から成り立つサービスでもあるため、人材によって対応はバラバラになる点には注意しましょう。
掃除や食事の準備、買い物、見守り、話し相手など色々な内容に対応してくれます。
依頼料金は地域にもよりますが、1時間1000円くらいが多いようです。
民間の事業所
民間の事業所による家事代行サービスは地域で事業所を探し、計画を立てて利用するのが一般的です。
利用できる範囲はかなり広く、介護保険での範囲にあたる、介護・医療行為に当たるもの以外ならほとんどの家事を行ってくれます。
事業所にもよりますが、冠婚葬祭の手伝いも行ってくれる事業所もあるようです。
社会福祉協議会やシルバー人材センターと決定的に違う点は、サービス内容の幅広さに加えて、サービス対象がご家庭全員になっていることです。
費用面では公的なサービスに比べて高くなりますが、それに見合うサービスを受けられるのが民間事業所での家事代行サービスになります。
介護保険制度との併用
介護保険では本人の介護は行ってくれますが、その他の家事等は行ってはくれません。
そのため介護保険では対応してくれない家事については、家事代行サービスを併用する形が効率的です。
私の知人ですと、1人で家事と介護を行わなければならない状況にありながらも、仕事も抱えていて時間がないという人がいました。
知人は仕事で留守の間、親の介護を介護保険のヘルパーへと依頼し、食事の準備や体調の確認を家事代行サービスに依頼するという形を取っていました。
そして帰宅後は自分が介護するという1日のプランで動いていたようです。
介護保険の在宅サービスではできることや時間に限度がありますが、家事代行サービスはそういった制限が少ないため、2つを組み合わせて上手く介護の手間と自分に掛かる負担を軽減していたのです。
家事代行サービスはこのように、介護保険制度の対応範囲外の部分を補助する形でうまく活用すれば生活における介護負担を大きく緩和できます。
介護の負担が大きいと感じている方は、家事代行サービスで介護の負担になっている部分をおまかせするのも手段の1つですよ。
民間の事業所を選ぶ時の注意点
民間事業所を探す際はご自分の住んでいる市町村の名称を入れて、検索してみましょう。
検索する際のキーワードは「〇〇市(町村) 介護保険外 家事代行」という内容です。
できるだけ複数の事業所を調べてみて、2~3事業所に絞ってからプランの相談をしましょう。
民間事業所では依頼があれば、まず打ち合わせをして、必要なサービス内容の選定を行ってくれるので、「利用者の生活や必要性に応じたプランを提案してくれているか」を大事にすることがおすすめです。
また、担当者が利用者のアフターフォローをしてくれているかどうかも重要です。
アフターフォローは1か月以内に1回以上訪問してくれる事業所を選んでください。
まとめ
今回は介護保険外の家事代行サービスについて紹介しました。
家事代行サービスは費用こそ高めですが、幅広く色々な対応を行ってくれる特徴があります。
介護保険による在宅介護サービスと上手く併用することで、効果的に介護をサポートしてくれるはずです。
また家事代行には社会福祉協議会やシルバー人材センターなどの公的な事業所によるものと、民間の事業所によるものもあります。
民間の事業所は豊富なサービスを提供するのが特徴で、利用者に合わせたプランを作成してくれるのでおすすめです。
介護保険外の家事代行サービスと介護保険の在宅介護サービスを上手く使い、介護負担を軽減しましょう。